内容説明
古代日本人は、東アジアの人々とどのような言語で交流していたのか?漢字・漢語との出会い、中国語をめぐる日本の学問のあり方新羅・渤海など周辺諸国との交流、円仁ら入唐僧の語学力など古代日本における異国言語との格闘の歴史を明らかにする。『言語』から考える東アジア文化交流史。
目次
序章 源氏物語桐壷の巻に寄せて
第1章 国家百年の計―勧学院の雀は蒙求を囀る
第2章 東アジアのリンガフランカ―日本・渤海・新羅・唐間の外交用言語
第3章 通訳―たかが通訳、されど通訳
第4章 外国音の魔力(1)―古代日本人は外国音に何を感じたか
第5章 外国音の魔力(2)―訓読文中の漢字の音
第6章 古代日本人と外国語―円仁は唐で外国語にどう対処したか
終章 道具と右大弁
著者等紹介
湯沢質幸[ユザワタダユキ]
筑波大学名誉教授。博士(文学)。専門:日本語史、日本における漢字・漢字音受容史。1943年群馬県前橋市生まれ。1971年東京教育大学文学研究科修士課程修了。1974~2009年山形大学・筑波大学・京都女子大学に勤務。1983年佐伯国語学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mimm
5
「古代、奈良時代から平安初期まで、日本人はどのように外国語と付き合っていたのか」中国だけじゃない、新羅や渤海、色々な国と交流があっても渡来人もいるし中国から漢文も来ているし、まぁ似た言葉だったんじゃない?(んなわけない)なんて漠然と思ってきたけど、中国語を共通言語として話してきたというのに当たり前だけどはっとした感じです。しかも呉音や漢音、唐音とか日本にはない「音」があり、読むのと話すのは違うんだよね…。言葉の変化、苦労の歴史だけでなく、雑学としても興味深い一冊でした。2012/03/23