内容説明
西洋との邂逅により近代絵画としての「日本画」が誕生して100余年。近年のグローバリゼーションの展開、東アジアをめぐる情勢の変化は、「日本画」を現代へと続く未解決問題として浮かび上がらせることとなった。「日本画」はどこから来たのだろうか。今、どこを生きているだろうか。そして、これからどこへ行くのだろうか…“歴史”“領域”“表現”という3つの視点から、東アジアという場における「日本画」の形成・展開の諸相を歴史的・文化的に把捉し、「日本画」の概念を未来へとひらく画期的成果。
目次
序論 東アジアのなかの日本画、日本画のなかの東アジア
1 歴史(近代の日本画 その展開と諸様式;『NIHONGA』とは何か?―作品制作と展示の具体的観点から;いま「日本画」のソフトは何か;「“描く”絵画から“塗る”絵画へ」再考;特 論 東アジア絵画への眼差し―近代「日本画」成立以前)
2 領域(「日本画」の主題と表現―アジアとの関係の中で;東アジアの近現代絵画―各国の現場レポートから;東京藝術大学日本画の一九八〇年代をめぐって―教員、カリキュラム、入試の変遷から;東北画は可能か? Is Tohoku painting possible ? 三瀬夏之介;特別寄稿 中国における「岩彩絵画」の現状)
3 表現(現代「日本画」と東アジア―東洋絵画へのまなざし;日本画考―創作と教育の現場から;特別寄稿 絵は、線であり、残骸であり、ゆるぎない。;特別寄稿 「日本画」ではなく「日本の絵画」の特質を考える)
著者等紹介
北澤憲昭[キタザワノリアキ]
1951年生まれ。女子美術大学名誉教授。表象文化論学会会員。専門は美術批評、美術史
古田亮[フルタリョウ]
1964年生まれ。東京藝術大学大学美術館准教授。専門は日本近代美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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