出版社内容情報
戦時中、子供向けに作成された戦意発揚のための「国策紙芝居」。
そこでは敵国の指導者や兵士を鬼や虫に描き、日本の正統性を子供達に知らしめようとした。
1930年代後半から日本教育紙芝居協会を中心に作成され配布された国策紙芝居は、当時、1000種類ほど作られたというが、その全体像は不明なところが多い。
本企画では、神奈川大学の非文字資料研究センターに保存されている国策紙芝居240点から、戦争教育や戦意発揚に重要な役割を果たしたものをフルカラーで紹介。国策紙芝居が当時果たした役割を分析し、当時の戦争観や状況を知る。
まえがき
目次
? 解題篇(凡例、解題リスト、解題)
? 論考篇(本文)
? データ編
戦時下紙芝居全国書誌
附録1 復刻雑誌『紙芝居・教育紙芝居』広告等データ
付録2 戦時下北海道内紙芝居データ
プロフィール
奥付
神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター「戦時下日本の大衆メディア」研究班 代表・安田常雄[ヤスダ ツネオ]
編集
内容説明
戦時下の紙芝居は、子どもたちに何を伝えたのか―。戦時中、銃後の子ども向けに1000種類以上も作成されたという「国策紙芝居」。敵国の指導者や兵士を鬼や虫として描き、戦意発揚のために日本の「正義」を子どもたちに知らしめようとした。現在では戦時教育、戦争プロパガンダを知る上で貴重な資料だが、戦後に散逸したその全体像は不明な点が多い。国策紙芝居の制作の背景に迫り、銃後の子どもたちに戦争の「夢」を見せようとしたその実態に迫る。現存する紙芝居約240点を、フルカラー解説。全国の戦時下の紙芝居の所蔵を網羅したリスト付き。神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター第3期研究成果報告書。
目次
1 解題篇―非文字資料研究センター所蔵「戦意高揚紙芝居コレクション」全点解題
2 論考篇(総論・アジア太平洋戦争と紙芝居―神奈川大学非文字資料研究センター「第三期」研究活動を通して;戦時紙芝居論―紙芝居は誰が演じたのか?;教育紙芝居を実演するということ―愛媛県方面委員の教育紙芝居運動;戦争を描けなかった紙芝居―戦時下の教育紙芝居をめぐる議論から;国策紙芝居のなかの描かれない天皇―神奈川大学所蔵コレクションから;植民地台湾の紙芝居活動についての記録と記憶―植民地紙芝居研究の射程)
3 データ篇(戦時下紙芝居全国調査「暫定版」データ篇;復刻雑誌『教育紙芝居・紙芝居』広告等データ;戦時下北海道内紙芝居データ)
著者等紹介
安田常雄[ヤスダツネオ]
神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター「戦時下日本の大衆メディア」研究班(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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