出版社内容情報
生き生きした創造性を中心とする新しい歴史観を確立、鎌倉文化を再評価する!!社会、政治、宗教、美術、文学など分野ごとに論じられてきた歴史を統合し、人々の生き生きとした創造性を中心に歴史を再編成する。
運慶の無著像は西行の姿、世親像は文覚上人であるという新発見の論証、など鎌倉文化を再評価する画期的な書。
東大寺大仏の平家による焼亡、その再建を期に、運慶を中心に天平古典復興と、動的なバロック的美術を生み出した。宮廷文化に取って代わり、武家文化が創造されたのである。そこには後白河上皇、源頼朝、運慶の政治的、文化的な深いつながりがあった。
鎌倉文化は「宮廷文化」に代わる「武士」や「民衆」の断絶の文化として、また法然や親鸞、道元や日蓮の「新仏教」の時代として変革の時代として語られてきたが、しかし武士は公家の出身であるし、断絶ではなく過去の様式を十分に継承していたのである。そして浄土信仰という「他力本願」は、仏教本来の「自力本願」の精神を失ってゆき、仏教文化は終焉に向ったのである。
第一章 鎌倉時代は平泉で始まった
第二章 大仏再建と大地震
第三章 勧進の聖たちと仏教の展開
第四章 奥州討伐と運慶の創造
第五章 平清盛と源頼朝の「公」と「私」
第六章 文化人・後白河上皇
第七章 西行 やまとごころの歌人
第八章 朝廷と武士、寺社の「三共立」
第九章 後鳥羽上皇と「承久の変」
第十章 親鸞と空也上人像
第十一章 鴨長明の出家
第十二章 道元の禅は神道ではないか
第十三章 日蓮と仏教文化の終焉
田中英道[タナカ ヒデミチ]
1942年生まれ。美術史家。東北大学名誉教授。
主な著書に『歴史のかたち 日本の美―論争・日本文化史』(徳間書店、2001年)、『日本美術 傑作の見方・感じ方』(PHP新書、2004年)、『日本と西洋の対話 一文化史家のたたかい』(講談社出版サービスセンター、2010年)、『日本の文化 本当は何がすごいのか』(育鵬社、2013年)などがある。
内容説明
社会、政治、宗教、美術、文学など、分野ごとに論じられてきた歴史を統合し、人々の生き生きとした創造性を中心に歴史を再構築する。運慶の無著像は西行の姿、世親像は文覚上人であるという新発見の論証、鎌倉文化を再評価する画期的な書。
目次
鎌倉時代は平泉で始まった
大仏再建と大地震
勧進の聖たちと仏教の展開
奥州討伐と運慶の創造
平清盛と源頼朝の「公」と「私」
文化人・後白河上皇
西行―やまとごころの歌人
朝廷と武士、寺社の「三共立」
後鳥羽上皇と「承久の変」
親鸞と空也上人像
鴨長明の出家
道元の禅は神道ではないか
日蓮と仏教文化の終焉
著者等紹介
田中英道[タナカヒデミチ]
1942年生まれ。歴史家、美術史家、東北大学名誉教授。ローマ大学、ボローニャ大学客員教授、元国際美術史学会副会長、日本国史学会代表理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin