交渉の民族誌―モンゴル遊牧民のモノをめぐる情報戦

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交渉の民族誌―モンゴル遊牧民のモノをめぐる情報戦

  • 堀田 あゆみ【著】
  • 価格 ¥4,950(本体¥4,500)
  • 勉誠社(2018/02発売)
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  • サイズ A5判/ページ数 382p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784585230625
  • NDC分類 382.227
  • Cコード C3039

出版社内容情報

「本当にいいブーツだなぁ。取り引きしないか?」
モンゴル遊牧民の物質文化を生存戦略から解き明かす!移動生活のため必要最低限のモノしか持たないといわれてきたモンゴル遊牧民。
しかし実際は、目新しいモノに目敏く、他家のモノに対して逐一入手経緯を尋ね、気に入れば譲るよう持ちかける。この自ら交渉し入手する交渉社会では、モノに関する情報はそれ自体が交換財的価値を帯び、各世帯で管理の上、戦略的に秘匿・公開される。
「情報」をキーワードに、これまで着目されてこなかったモンゴル遊牧民のモノをめぐる実践を描き出す文化人類学的挑戦。
巻末には遊牧民一家の生活世界にある資料点数1251点の写真付き全モノ目録を掲載!

はじめに 

序章 遊牧の民と遊動するモノ
1 遊牧民とは 
2 モンゴル遊牧民の物質文化 
3 モノをめぐる研究史と本書の視座 
4 本書の目的と構成 

第1章 モンゴル遊牧民の生活世界
1 モンゴル遊牧民の現状 
 1-1 市場経済化とネグデルの解体 
 1-2 遊牧人口 
2 調査地の概要と調査方法 
 2-1 アルハンガイ県の地理と産業 
 2-2 ホトント郡の概略 
 2-3 サント・バグの遊牧民エンヘー一家 
 2-4 調査内容 
 2-5 調査期間 
3 遊牧民の生計 
 3-1 畜産物による現金収入 
 3-2 定期収入と不定期収入 
 3-3 支出用途と物価 
 3-4 物々交換 
4 宿営地と共営世帯 
 4-1 宿営地の選定 
 4-2 共営世帯の役割 
 4-3 夏営地の一日 
 4-4 冬営地の一日 
5 人の往来と情報交換 
 5-1 宿営地における人の往来 
 5-2 他家への訪問 
 5-3 情報の収集 
 5-4 「情報社会」を生きる 
6 小結 

第2章 遊牧民の生活世界にあるモノ
1 遊牧民はモノを持たないのか? 
2 遊牧民世帯エンヘー家におけるモノの悉皆調査 
 2-1 調査の目的と方法 
 2-2 モノの目録作り 
 2-3 モノの配置と収納場所 
 2-4 モノの数量と種類 
3 モノの来歴 
4 語られるモノの移動 
5 小結 

第3章 モノのやり取りに関する実践
1 貸借に関する原則と実態 
 1-1 貸借 
 1-2 慣習上の原則 
 1-3 貸借の期間と返却方法 
2 貸借か? 譲渡か? 
3 モノの移動を促す文化装置 
4 やり取りの不確実性 
5 小結 

第4章 モノの移動をめぐる交渉
1 交渉の条件 
2 社会関係が交渉に及ぼす影響 
 2-1 親戚世帯間 
 2-2 共営世帯間 
 2-3 友人・知人間 
3 社会関係と情報量が交渉に及ぼす影響 
 3-1 エンヘー家との交渉 
 3-2 親戚世帯との交渉 
 3-3 共営世帯との交渉 
 3-4 その他の世帯との交渉 
4 情報の傾斜分配 
 4-1 筆者を分配 
 4-2 筆者のモノの情報を分配 
5 小結 

第5章 モノの情報をめぐる交渉
1 モノの情報収集 
 1-1 ソニルホホ〈sonirkhokh:興味にまかせて調べる〉 
 1-2 オハハ〈ukhakh:掘り起こす〉 
 1-3 交渉への転換 
2 モノの情報管理 
 2-1 ダルド・ヒーヒ〈daldkhiikh:隠蔽する〉 
 2-2 お披露目 
 2-3 ガエホーラハ〈gaikhuulakh:見せびらかす〉 
 2-4 陳列 
3 モノの情報操作と交渉 
 3-1 情報の戦略的利用 
 3-2 交渉の場としてのゲル 
4 小結 

終章 交渉する遊牧社会
1 “フロー”としてのモノ 
2 交渉がつくる人間関係 
3 情報が交換財となる社会 

おわりに 
参考文献

堀田あゆみ[ホッタ アユミ]
著・文・その他

内容説明

移動生活のため必要最低限のモノしか持たないといわれてきたモンゴル遊牧民のくらし。しかし実際は、目新しいモノに目敏く反応、入手経緯を逐一尋ね、欲しいモノなら即座にかけ合う交渉社会であった。モノに関する情報はそれ自体が交換財的価値を帯び、各世帯で秘匿・公開を戦略的に管理する。現代を生きる遊牧民のモノをめぐる実践を活写する文化人類学的挑戦!遊牧民一家の生活世界にある全モノ目録を収録。

目次

序章 遊牧の民と遊動するモノ
第1章 モンゴル遊牧民の生活世界
第2章 遊牧民の生活世界にあるモノ
第3章 モノのやり取りに関する実践
第4章 モノの移動をめぐる交渉
第5章 モノの情報をめぐる交渉
終章 交渉する遊牧社会

著者等紹介

堀田あゆみ[ホッタアユミ]
1980年、大阪府生まれ。総合研究大学院大学文化科学研究科地域文化学専攻単位取得退学。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員PD、関西学院大学受託研究員。専門は文化人類学で、モンゴルの遊牧文化、情報行動などを研究テーマとする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

samandabadra

1
★★★★2021/11/18

ヨシツネ

1
モンゴルの遊牧民をモノを持たない生活の象徴とすることが多いが、決して持たないわけではないことを示している。 末尾に記載されているモノのリストの厚みが証明だ(個人的にはトイレットペーパーが面白かった) 生きている人間を想像しやすい内容だった2018/04/10

Kan T.

0
ブック・ラウンジ・アカデミアの著者インタビューがきっかけで読んでみたが、とても面白かった。「ものを持たない」と思われているモンゴルの遊牧民が実は結構ものを持っていて、また他の人とものを頻繁に貸し借りしている様子が描かれる。そして人からものを借りるためにまわりの人が何を持っているか情報を得ようとする様や、また言うならば「借りパク」が許容される論理/倫理だったりについても述べられる。圧巻は巻末に100頁弱を割いて掲載されている「一家のモノ目録」。悉皆調査おそるべし。2021/09/16

飛燕

0
すごくおもしろかった。ある世帯に居候し、その世帯が持っているモノや、日常生活における共営世帯とのモノのやりとり(貸借や譲渡など)の分析を通し、遊牧民が重んじているのはモノを介して得られる情報(材質、誰から借りたか/もらったか等々)だと指摘する。情報があれば貸借や譲渡の交渉を仕掛けることができ、必要なモノ、欲しいモノをねだることができる。だから情報の収集に余念がない。2021/05/16

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