内容説明
日本・韓国・中国の大衆文化は、交流の時代から共有の時代へと大きく転換してきた。アニメやドラマなど越境するコンテンツの生産・消費・表象・規制が織り成すダイナミックなメディア空間の諸相から、東アジアの平和と相互理解を醸成するためのリージョナル・メディア(地域統合型メディア)を構想する。
目次
第1部 東アジアにおけるメディア文化フローのダイナミズム(文化越境の構造―戦後韓国における「日本大衆文化禁止」のメカニズム;越境するアニメソングの共同体―日本大衆文化をめぐる韓国の文化的アイデンティティとオリジナルへの欲望;「禁止」と「改変」―韓国におけるスーパー戦隊シリーズの越境から;リメイク作品から見る日韓ドラマの「社会性」―『ハケンの品格』(日)と『職場の神』(韓)を題材に
越境する“ホームアニメ”―東アジアにおける『ちびまる子ちゃん』の家族像
メディアファンドの活動に見る中国の文化強国戦略
中国のネットベンチャー騰訊(テンセント)と中国共産党―中国企業のグローバル市場進出と国内のネット統制、そのねじれた関係)
第2部 東アジアの越境的リージョナル放送に向けて―日韓中テレビ制作者フォーラムの実践(なぜ東アジアのテレビ制作者は語り合うのか;日韓中共通の放送コンテンツは可能か;中国帰国者、原爆被害者、そして『基町アパート』―戦争被害受忍論を克服する日韓中テレビ制作者の連帯へ;韓国における原爆体験のゆがみと“反核”―ヒロシマ・ナガサキの共有に向けて;領土問題とジャーナリズム―「国益」を超える東アジアリージョナル放送の構想へ)
著者等紹介
玄武岩[ヒョンムアン]
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授。専門はメディア文化研究、日韓関係論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。