内容説明
不妊治療、高齢出産、新型出生前診断…医療の近代化を経て、複雑な様相を示すようになってきた現代の出産。子どもを産み育てるという、人間が長らく続けてきた行為は、この先、どのような方向へと進んでいくのだろうか。フィールドワークの成果に基づき、私たちが変わらず続けてきたこと、新たに作り出してきたことを明らかにし、現代日本の出産を相対化する。日本の出産を近現代の流れの中で捉え直した、文化人類学・民俗学研究の集大成。
目次
1 自宅出産から病院出産へ(出産環境の変容―“第三次お産革命”のために;産屋習俗にみるケガレ・共助・休養 ほか)
2 儀礼・異界(産育儀礼と性の逆転;胞衣をめぐる状況の変化と意識変容 ほか)
3 子どもとの関わり(先祖から名前をもらうこと―日本とフランスの比較より;母親の子育てする時間―岩手県一戸町のフィールドワークより ほか)
4 出産の近現代を振り返り、未来へつなぐ(いのちの物質主義的認識からの脱却;天理大学より歓迎の御挨拶―天理教と出産 ほか)
著者等紹介
安井眞奈美[ヤスイマナミ]
1967年、京都市に生まれる。1990年、大阪大学文学部日本学科卒業。1997年、大阪大学大学院文学研究科日本学専攻博士後期課程修了。文学博士。現在、天理大学文学部教授(歴史文化学科考古学・民俗学専攻)。2009年2~3月、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)の招聘で日本の出産習俗について講義。専門は民俗学、文化人類学。日本とミクロネシアをフィールドに、出産環境の変容を明らかにする研究を進めてきた。また身体と怪異に関する研究にも着手している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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