内容説明
中国・六朝時代に生き、山水文学の祖であるとともに、儒・道・仏に通じた博学多才の詩人として知られる謝霊運。その詩文は後世の文人たちに大きな影響を与え、学識と矛盾に満ちた数奇な人生とが相俟って、その人物像についても、中国史上他に類を見ない独自のイメージを形成している。本書は思想的な背景となった六朝期の仏教や道教にも目を向けつつ、日本文学における謝霊運受容の軌跡を追い、六朝文化の日本における受容のあり方を体系的に検討する。謝霊運を日本文学・中日比較文学研究としてとりあげる初めての試み。
目次
1 研究方法・文献
2 思想・宗教―背景としての六朝文化
3 自然・山水・隠逸―古代日本の受容
4 場・美意識との関わり
5 説話・注釈
6 禅林における展開
7 近世・近代における展開
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