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アジア遊学
東アジアの女性と仏教と文学

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  • サイズ A5判/ページ数 333p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784585226734
  • NDC分類 904
  • Cコード C1315

出版社内容情報

『蜻蛉日記』『枕草子』『源氏物語』…。
平安の頃から連綿と続く「女性の文学」。その物語や日記には高い思想性が見られ、その裏打ちとして仏教(信仰)が通底している。
近年のジェンダー研究の隆盛を受けて関心の高まる女性と文学、そして仏教との関わりを、東アジア全体に視野を広げながら論じる。

序 文―「東アジアの女性と仏教と文学」に寄せて 張龍妹・小峯和明

? 女性と仏教の文学世界
女文字の仏教 今西祐一郎
女性が男性を論破する大乗経典―日本の女性文学への影響 石井公成
『参天台五臺山記』にみる「女性と仏教」 勝浦令子
〈仏伝文学〉と女人―物語の原点として 小峯和明
コラム◎女性たちの転生と「謫生」―説話と物語のありよう 丁莉
コラム◎后と聖人―女犯の顛末 高陽

? 女人の道心と修行
女性仏道修行者の出家と焼身―東アジア仏教最初期の一考察 何衛紅
紫式部の道心について 張龍妹
手紙を書く女たち―儒教と仏教を媒介に 李愛淑
コラム◎釈教歌と女性 平野多恵
コラム◎暗喩としての〈仏教〉―『更級日記』の〈物詣〉 中村文
『とはずがたり』における後深草院二条の信仰心―西行の受容を中心に 邱春泉

? 『法華経』と女人の形象
『冥報記』における女性『法華経』信仰説話の伝承考 李銘敬
鎮源撰『本朝法華験記』独自の女性像―表現の出典と発想の和化を手掛かりに 馬駿
「平家納経」と女性の仏教実践 阿部龍一
『八幡愚童訓』の一側面―神功皇后像と故事としての仏伝 鈴木彰

? 東アジアへの視界
宋代の女性詩人と仏教―朱淑真を例として 陳燕
朝鮮の宮廷女流文学における宗教思想 金鍾徳
コラム◎朝鮮時代における仏伝とハングル小説―耶輸陀羅の物語 趙恩?
コラム◎朝鮮時代の女性と仏教―比丘尼礼順の仏法修行を中心に 金英順
コラム◎ベトナムの女性と仏教 川口健一

? 近世・近代文学の女性と宗教
上田秋成の仏教観と「宮木が塚」における権力・智略と信仰 岳遠坤
コラム◎近世における女の巡礼 周以量
二十世紀の和泉式部伝説―『かさぶた式部考』における「救済」について 樋口大祐
初期平塚らいてうの女性解放の思想と禅 王雪
芥川龍之介『南京の基督』論―金花の〈奇蹟〉物語の深層心理 曲莉
核時代における現代人の信仰の問題について―大江健三郎の『燃えあがる緑の木』を中心に 王麗華

張龍妹[チョウ リュウマイ]
北京日本学研究センター教授。専門は『源氏物語』を中心とする平安仮名文学。
著書に『源氏物語の救済』(風間書房、2000年)、『日本文学 古典篇』(高等教育出版社、2008年)、『今昔物語集 本朝部』(翻訳、人民文学出版社、2008年)、『東西方文学交流研究』(翻訳、知識産権出版社、2013年)、『和歌物語集』(翻訳、外語教育與研究出版社、2015年)などがある。

小峯和明[コミネ カズアキ]
フェリス女学院大学客員教授、早稲田大学客員上級研究員、中国人民大学・高端外国専科、立教大学名誉教授。専門は日本中世文学、東アジアの比較説話。
著書に『中世日本の予言書―〈未来記〉を読む』(岩波新書、2007年)、『中世法会文芸論』(笠間書院、2009年)、『〈予言文学〉の世界―過去と未来を繋ぐ言説』(編著、アジア遊学159、勉誠出版、2012年)などがある。

内容説明

『蜻蛉日記』『枕草子』『源氏物語』…平安の頃から連綿と続く「女性の文学」。その物語や日記には高い思想性が見られ、その裏打ちとして仏教(信仰)が通底している。近年のジェンダー研究の隆盛を受けて関心の高まる女性と文学、そして仏教との関わりを、東アジア全体に視野を広げながら論じる。

目次

1 女性と仏教の文学世界(女文字の仏教;女性が男性を論破する大乗経典―日本の女性文学への影響;『参天台五臺山記』にみる「女性と仏教」;“仏伝文学”と女人―物語の原点として)
2 女人の道心と修行(女性仏道修行者の出家と焼身―東アジア仏教最初期の一考察;紫式部の道心について;手紙を書く女たち―儒教と仏教を媒介に;『とはずがたり』における後深草院二条の信仰心―西行の受容を中心に)
3 『法華経』と女人の形象(『冥報記』における女性『法華経』信仰説話の伝承考;鎮源撰『本朝法華験記』独自の女性像―表現の出典と発想の和化を手掛かりに;「平家納経」と女性の仏教実践;『八幡愚童訓』の一側面―神功皇后像と故事としての仏伝)
4 東アジアへの視界(宋代の女性詩人と仏教―朱淑真を例として;朝鮮の宮廷女流文学における宗教思想)
5 近世・近代文学の女性と宗教(上田秋成の仏教観と「宮木が塚」における権力・智略と信仰;二十世紀の和泉式部伝説―『かさぶた式部考』における「救済」について;初期平塚らいてうの女性解放の思想と禅;芥川龍之介『南京の基督』論―金花の“奇蹟”物語の深層心理;核時代における現代人の信仰の問題について―大江健三郎の『燃えあがる緑の木』を中心に)

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