三島由紀夫と青年将校―五・一五から二・二六

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  • サイズ B40判/ページ数 198p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784585222590
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0021

出版社内容情報

三島は維新で滅んだ幕府親藩大名の末裔で、二・二六事件決起将校や特攻隊の霊が憑依したかのように『憂国』『英霊の聲』を書き、四十五歳で自決した。

満州事変が勃発すると陸軍中佐橋本欣五郎が若槻礼次郎首相を暗殺して陸軍政権を樹立しようと十月事件というクーデターを企図したが未遂に終わった。つぎに海軍青年将校が五・一五事件を起こし、海軍大将斎藤実を首相に据えて大海軍の建設を開始した。すると軍艦建造の財源を負担する農民の生活が圧迫され、農村の窮迫を憂いた陸軍青年将校が海軍大将斎藤実ら海軍要人を襲撃する二・二六事件を起こした。

内容説明

満州事変が勃発すると陸軍中佐橋本欣五郎が若槻礼次郎首相を暗殺して陸軍政権を樹立しようと十月事件というクーデターを企図したが未遂に終わった。つぎに海軍青年将校が五・一五事件を起こし、海軍大将斎藤実を首相に据えて大海軍の建設を開始した。すると軍艦建造の財源を負担する農民の生活が圧迫され、農村の窮迫を憂いた陸軍青年将校が海軍大将斎藤実ら海軍要人を襲撃する二・二六事件を起こした。

目次

第1章 三島の高祖父永井尚志の無念
第2章 憲政の常道という大正デモクラシー
第3章 三島が小学校一年のとき満州事変が起きた
第4章 青年将校運動の萌芽
第5章 海軍青年将校による五・一五事件
第6章 海軍内閣のもとで農民の窮乏化が加速
第7章 反戦勢力の皇道派が壊滅した二・二六事件
第8章 三島由紀夫の自決

著者等紹介

鈴木荘一[スズキソウイチ]
近代史研究家。昭和23年生まれ。昭和46年東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行にて審査、産業調査、融資、資金業務などに携わる。とくに企業審査、経済・産業調査に詳しく、その的確な分析力には定評がある。平成13年日本興業銀行を退社し、以後歴史研究に専念、「幕末史を見直す会」代表として、現代政治経済と歴史の融合的な研究や執筆活動などを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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yamatoshiuruhashi

38
三島由紀夫に関する記述は少ない。五・一五、二・二六と言った事件がなぜ起きたのか、その当事者たちの考えはどうだったのか、ということが繰り返し述べられる。著者独特の理解の仕方もあるが、地租に頼りながらの「富国強兵」はそれ自体が矛盾であるというのは納得。国民の大部分が農民である時代に農村から徴兵でとられ出てくる兵士たちの窮乏を憂えたのが青年将校運動の根源であることは、遺書のみならず末松太平や大倉栄一らの著作からわかることである。今一度この観点で事件を考える必要はあるだろう。2020/05/02

keint

9
タイトルの三島由紀夫については序章と最後の方のみに触れており、著者の偏った史観(江戸幕府持ち上げ、反明治維新、反海軍、反天皇)による昭和維新の解説が主であった。 参考文献に司馬遼太郎や原田伊織が入っている時点で気づけなかったのが悔やまれるくらい駄本であった。2020/02/25

iceman

1
226 事件と三島由紀夫が残した「憂国」や「英霊の聲」との関係 、5.15 事件に関与した農民 橘孝三郎の存在 あるいは 政党政治から海軍主体の政治へと変わった理由など、自分の中の色々な謎が解けた価値ある一冊でした。2021/09/02

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