内容説明
GHQによる日本占領、戦犯問題。焦土のなかの巡幸、新憲法制定…。数々の難局に対峙した昭和天皇の五年八ヶ月を、関係者への膨大なインタビューをもとに再現する。
目次
5 昭和二十年八月~九月
6 昭和二十年九月
7 昭和二十年十月~十一月
8 昭和二十年十二月~二十一年二月
9 昭和二十一年二月~十月
10 昭和二十一年十月~二十六年四月
著者等紹介
加瀬英明[カセヒデアキ]
1936年東京生まれ。外交評論家。慶應義塾大学、エール大学、コロンビア大学に学ぶ。「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長。1977年より福田・中曾根内閣で首相特別顧問を務めたほか、日本ペンクラブ理事、松下政経塾相談役などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中峰和
7
政府も皇室も天皇の戦争責任を回避するため、マッカーサーの顔色をみることに専念した。天皇が元帥に従属していたのは例の二人並んだ写真からも明白だ。彼の態度は米国流なのか、トランプも天皇の腰に手を回したりしていた。そんな元帥もワシントンに対して権限がなかったようだ。近衛の開明ぶりに感心した元帥は、憲法改正の起草にふさわしい人物と評価した。その直後のA級戦犯はないだろう。誰も信じられず自殺した近衛に、天皇が放った一言は「近衛は弱いね」だった。皇室を守るため天皇に引退させようとした近衛を恨んだのは俗人すぎる。2019/09/23
10538jeff
0
「『朝日新聞』は「新憲法の公布に際して」と題する社説を掲げて、将来、憲法を改正する必要が起った場合に、改めることに躊躇してはならない、と主張している。「憲法は、国家の基本法であるから、しばしば改正することは、もとより望ましいことではないが、人民の福祉のために存在する法律である以上、恒に生命のあるものとしておかねばならない」そして、さらにこう説いている。「慎重は要するが、憲法改正については、国民として不断の注意を怠らないやう心がけるべきである」」(pp.214-215)2019/08/06