幕末の天才 徳川慶喜の孤独―平和な「議会の時代」を目指した文治路線の挫折

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  • サイズ B40判/ページ数 217p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784585222248
  • NDC分類 210.58
  • Cコード C0021

出版社内容情報

慶喜の明治維新とは、流血の無いイギリス名誉革命を模範とした市民革命であり、イギリスの議会制度を取り入れようとしたものだった。
その背景にあった「水戸学」とはどのような思想なのか。

水戸学に学び、文治路線を望み、戦を嫌った最後の将軍・・・。慶喜の見すえた未来とはどのようなものだったのか。
象徴天皇論を唱えた慶喜の先見の明を再評価する。

まえがき               

第一章 ペリー来航と将軍後継問題   
ペリー来航
一橋慶喜擁立運動
将軍家定の後継問題

第二章 戊午の密勅
日米通商条約案の確定
井伊大老の無勅許調印   
戊午の密勅と水戸学
鎮派の象徴天皇論VS激派の天皇親政論

第三章 尊皇攘夷運動の猛威
尊皇攘夷論のるつぼとなった京都
長州藩の外国船砲撃
孝明天皇の意向による八・一八政変
参与会議の崩壊           
長州軍を撃退した蛤御門の変

第四章 木戸孝允の謀略   
桂小五郎の実像
逃げの小五郎
桂小五郎が仕組んだ水戸天狗党の乱
第一次長州征伐の勅命下る
勝海舟を調略して第一次長州征伐を潰した桂小五郎の謀略
薩会同盟を薩長同盟へ切り替えさせた桂小五郎

第五章 薩長同盟における龍馬という虚像  
幕末日本の内戦を希求したイギリス武器商人グラバー
グラバーの三角貿易が薩長同盟を成立させた

第六章 議会開設を目指した大政奉還
パークスが第二次長州征伐で長州を支援し幕府軍は敗北
慶喜による幕府陸軍の創設と兵庫開港
イギリス・アメリカ型議会制度を目指した大政奉還 

第七章 鳥羽伏見の戦い 
アーネスト・サトウと木戸孝允と坂本龍馬と西郷隆盛による討幕の密謀
王政復古の大号令・神道国教化・廃仏毀釈・皇民教育
空海が完成した神仏習合という日本教
慶喜は幕府軍を率いて大坂へ下る
幕府軍は討薩表を掲げて京都を目指す
鳥羽街道で通行を阻止され奇襲砲撃を受ける
錦の御旗の出現により慶喜は東帰

補論  象徴天皇制と天皇親政論の間を揺れた昭和天皇
主な参考文献

鈴木荘一[スズキソウイチ]
著・文・その他

内容説明

象徴天皇論を唱えた慶喜の先見の明を再評価する。慶喜の明治維新とは、流血の無いイギリス名誉革命を模範とした市民革命であり、イギリスの議会制度を取り入れようとしたものだった。

目次

第1章 ペリー来航と将軍後継問題
第2章 戊午の密勅
第3章 尊皇攘夷運動の猛威
第4章 木戸孝允の謀略
第5章 薩長同盟における龍馬という虚像
第6章 議会開設を目指した大政奉還
第7章 鳥羽伏見の戦い
補論 象徴天皇制と天皇親政論の間を揺れた昭和天皇

著者等紹介

鈴木荘一[スズキソウイチ]
近代史研究家。昭和23年生まれ。昭和46年東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行にて審査、産業調査、融資、資金業務などに携わる。とくに企業審査、経済・産業調査に詳しく、その的確な分析力には定評がある。平成13年日本興業銀行を退社し、以後歴史研究に専念、「幕末史を見直す会」代表として、現代政治経済と歴史の融合的な研究や執筆活動などを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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カツ

3
徳川慶喜とうたっているわりにはあまり出てこないが、慶喜がイギリス型公議政体を目指していたのは良く分かった。それにしても長州は尊王攘夷を掲げながら天皇を拉致しようとするし武器商人のグラバーと密貿易するし、そのグラバーにそそのかされて戦争はするしとテロ集団にしか思えない。明治維新により象徴天皇制がなくなり昭和20年までの軍国主義が続いたというのも納得できる。坂本龍馬や勝海舟をこき下ろしているのも胸がスカッとする。2021/03/01

のらくろ好き

2
ペリー来航をきっかけにあらゆる考えがぶつかり合い、日本を変えていく内容。タイトルに徳川慶喜の名があるわりには登場回数が少なくて呆気にとられたが、「革命は暴力を要する」という古来の考えと「革命は対話を要する」という近代的な考えがぶつかる点においてはすごく興味深かった。皇道派と統制派の考えはここから始まったのかもしれない。2019/11/23

山田

0
鈴木荘一は日本興業銀行退職後「幕末史を見直す会」代表。/鳥羽伏見戦から西南戦争までを明治維新とする長州至上史観(主流の歴史認識)を否定し,公議政体へ移行して平和な議会の時代を築こうとした「大政奉還」に始まり帝国議会開設により完成した英国名誉改革型の世界史上4番目の市民革命であるとの見解を推すもの。2021/06/17

Tak

0
徳川慶喜が読みたくて購入したが徳川慶喜があまり出ず思ってたのと違う感があり。2021/07/04

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