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内容説明
自然愛好・菜食主義・健康志向など、今にいたる様々な潮流の淵源ともなった“裸体文化”の思想と歴史、実践を200点以上の貴重な写真資料とともに追い、人類における“裸”の意味を探る。
目次
第1章 裸体文化運動の先駆者たち
第2章 山野の自然を愛する者たち
第3章 運動する肉体の美と健康
第4章 裸体文化をめぐる思想家たち
第5章 裸体文化運動の理論家たち
第6章 ナチスと共存する裸体文化
著者等紹介
森貴史[モリタカシ]
1970年大阪府生まれ。Dr.phil.(ベルリン・フンボルト大学)。関西大学文学部(文化共生学専修)教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
29
アメリカで出会って興味深かったのが、「美しい身体」に確固たる定義を持つ人たち。無邪気な白人至上主義もたくさんいたなあ。「あなたはアジア系にしては本当にきれいね!親御さんのどちらが白人なの?」なんて悪気なく言ったり。この本で面白いなあ、と思ったのは「裸体」というシンプルな存在がいかに多様な教育や思想、運動(時には排他的な)を生み出したか…を多くの事例で紹介しているところ。お世話になっているクナイプをはじめ、健康法の進化も面白かった。しかし…。ヘルマン・ヘッセのヌード写真は初めて見た!2019/03/15
gtn
13
ユダヤ人を含む全労働者層の健康改善を目的としたため、社会主義的と見られ、ナチスに壊滅させられたアドルフ・コッホの裸体文化運動。一方、実践方法は似ているが、ドイツ人の肉体美と健康を追求し、ヒトラーに迎合することにより生き残りを図ったハンス・ズーレンの裸体による体育指導。しかし、権力に近寄り過ぎたのか。自宅ベランダで全裸で自慰をしているところ目撃され逮捕、収監されたズーレン。信念を貫いたコッホと要領に長けたズーレン。どちらが後世に残るかは自明である。2019/11/02
kuukazoo
8
ヌーディズムについてはそんな方々もいますよね程度の認識だったので読んでいて目から鱗がぼろぼろだった。その発生は19世紀末~20世紀初のドイツに遡る。当時、都市化、工業化による生活環境の悪化から反文明や自然回帰志向が高まり菜食主義や自然療法などの「生活改革運動」が広まるが裸体生活もその1つであった。また健康で強く美しい身体獲得のために様々な体操や鍛錬法が考案され、さらにはドイツ人優生思想やナショナリズムをアピールするものとなっていく。本書に登場する裸体文化の主導者達がトンデモ過ぎて唖然...だが面白い。2020/09/09
たろーたん
2
ドイツでは割と「裸体文化(FKK)」が流行っており、旧東ドイツ市民の80%は裸体文化を体験したという統計がある程だ。そして、この裸体文化は今でもその名残を引きついている。なぜそうなったのか。その最も大きいな要因は、ドイツで流行った「生活改革運動」である。19世紀後半に医学が発達して、衛生が重要視されるようになった結果、生活の衣食住に対する人々の意識が変化した。それは、当初は口腔衛生のためのうがい薬や入浴剤、肌の保湿スキンケアのニベアクリームだったが、徐々に抜本的に日常生活を改革しようと考えに繋がる。(続)2023/11/25
takao
1
ふむ2023/07/14