出版社内容情報
土佐犬はなぜ「日本犬」ではないのか?「絶滅危機にある日本犬を守らねばならない」
日本固有の犬種の保護・飼育を目指して発足した平岩米吉らの日本犬保存会。
彼らは、真正なる「日本犬」の姿を追い求め、淵源を探り、7つの犬種を天然記念物に指定することで、純血種の保存をはかっていった。
しかし、そこには排除と選択の論理のなかで創り出された「日本犬」の姿があった。
近代化、国民国家形成、動物保護、戦争…。
博物学者・南方熊楠と平岩との対話を起点に、時代に翻弄され、淵源と純血を求められ続けた犬たちをめぐる言説をたどり、日本近代史の裏側を照らし出す。
序 章
第一章 ニホンオオカミは「いつ」絶滅したのか?―平岩米吉と南方熊楠―
一 平岩米吉と南方熊楠
二 平岩米吉とニホンオオカミの絶滅
三 『動物文学』とニホンオオカミ
四 南方熊楠とオオカミ
おわりに
第二章 ジャッカルと日本犬―犬の祖先をめぐる問題―
一 野干はジャッカルなり
二 犬の祖先はジャッカルかオオカミか
三 日本犬保存会
おわりに
第三章 「日本犬」の姿を求めて―近世以前の日本犬―
一 本来の日本犬
二 その後の研究
第四章 明治期日本の犬たち―洋犬の導入と日本犬の衰退―
一 洋犬の輸入と遊猟
二 狩猟マニュアル本に見る猟犬たち
三 日本犬の発見
四 日本犬保存会の設立―その前史と設立後の活動方針―
五 秋田犬の天然記念物指定
おわりに
第五章 日本犬保存会と天然記念物―甲斐犬の指定を中心に―
一 日本犬保存会の成立─理事を中心に─
二 甲斐犬の天然記念物指定
三 番犬としての日本犬
おわりに
第六章 昭和初期日本犬の検討―猟犬、使役犬、番犬、愛玩犬―
一 犬を買う
二 品種と能力
三 日本犬を飼育した人々
おわりに
第七章 狆と高安犬―日本犬から外された犬―
一 狆
二 高安犬
三 名犬とは何か
おわりに
第八章 日本犬と戦争―立憲政友会と軍用犬―
一 猪野毛利栄
二 軍用犬としての日本犬
三 軍用犬としての限界
おわりに
おわりに
あとがき
索 引
志村真幸[シムラ マサキ]
1977年神奈川県生まれ。2000年、慶応義塾大学文学部卒。2007年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は南方熊楠研究。とくに西洋史の立場から、熊楠を近代世界のなかに位置づけることを目指している。南方熊楠研究会運営委員、京都外国語大学非常勤講師。
著書に『猫と南方熊楠』(共和国、2017年、共著)、『異端者たちのイギリス』(共和国、2016年、編著)、『南方熊楠英文論考[ノーツ・アンド・クエリーズ]誌篇』(集英社、2014年、共訳)、『南方熊楠大事典』(勉誠出版、2012年、共著)、『南方熊楠とアジア』(勉誠出版、2011年、共著)などがある。
内容説明
「絶滅危機にある日本犬を守らねばならない」日本固有の犬種の保護・飼育を目指して発足した平岩米吉らの日本犬保存会。彼らは、真正なる「日本犬」の姿を追い求め、淵源を探り、7つの犬種を天然記念物に指定することで、純血種の保存をはかっていった。しかし、そこには排除と選択の論理のなかで創り出された「日本犬」の姿があった。近代化、国民国家形成、動物保護、戦争…博物学者・南方熊楠と平岩との対話を起点に、時代に翻弄され、淵源と純血を求められ続けた犬たちをめぐる言説をたどり、日本近代史の裏側を照らし出す。
目次
序章
第1章 ニホンオオカミは「いつ」絶滅したのか?―平岩米吉と南方熊楠
第2章 ジャッカルと日本犬―犬の祖先をめぐる問題
第3章 「日本犬」の姿を求めて―近世以前の日本犬
第4章 明治期日本の犬たち―洋犬の導入と日本犬の衰退
第5章 日本犬保存会と天然記念物―甲斐犬の指定を中心に
第6章 昭和初期日本犬の検討―猟犬、使役犬、番犬、愛玩犬
第7章 狆と高安犬―日本犬から外された犬
第8章 日本犬と戦争―立憲政友会と軍用犬
著者等紹介
志村真幸[シムラマサキ]
1977年、神奈川県生まれ。2000年、慶応義塾大学文学部卒。2007年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は南方熊楠研究。とくに歴史学の立場から、南方熊楠を近代世界のなかに位置づけ、また動物との関わりを明らかにすることを目指している。南方熊楠研究会運営委員、京都外国語大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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