内容説明
勝海舟が学んだ蘭学、海軍伝習とはいかなるものであったのか。幕末から維新への激動の時代、江戸城無血開城に導き、次代への道を拓いた勝海舟。その成功の背景には、海舟が身に着けた蘭学と海軍伝習があった。新潟県糸魚川市に伝わる新出資料を読み解き、海舟が蘭書やオランダ人教官との親交から海外情報・知識を体得していった足跡をたどり、世界の進軍のなかで新しい国家構想へ向けた眼差しを探る。
目次
1 蘭学への道
2 都甲斧太郎の教導
3 ペリー来航と建言
4 長崎海軍伝習
5 砲術訓練―用語と号令
6 ヤパン号=咸臨丸
7 『蚊鳴餘言』を読み込む
附 勝海舟と咸臨丸関係資料
附論 勝海舟宛足立唯一郎書翰
著者等紹介
片桐一男[カタギリカズオ]
1934年(昭和9年)、新潟県に生まれる。1967年、法政大学大学院人文科学研究科日本史学専攻博士課程単位取得。現在、青山学院大学文学部名誉教授。公益財団法人東洋文庫研究員、青山学院大学客員研究員。文学博士。洋学史研究会会長。専攻は蘭学史・洋学史・日蘭文化交渉史。主な著書に『蘭学家老鷹見泉石の来翰を読む―蘭学編』(岩波ブックセンター、ゲスナー賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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