内容説明
大航海時代から現代にいたるまで日本とスペインは400年を越える交流の道を歩んできた。異文化交流により言語・思想・知識など多方面にもたらされた影響を隠れキリシタン資料をはじめとする諸資料に見出し、また、天皇制と君主制の歴史的推移を比較することで、越境する人類史展望の可能性を探る。接触と比較から描く異文化交流史。
目次
第1部 大航海時代の日西交流―思想・言語・知識(スペイン語と日本語の出会い―大航海時代から現代;大航海時代の日本におけるスペインと日本の最初の言語的接触―ベルナルディーノ・デ=アビラ・ヒロン著『日本王国記』;キリスト教の変容と戦国期の民衆;『吉利支丹抄物』と大航海時代の日本;聖フランシスコ・ザビエルの回心)
第2部 皇権と王権―法と信仰の比較史(「日本の君主制」再論―憲法制度を凌駕する信仰;近代天皇制歴史観と前近代天皇制―日本中世史の可能性;中世王国体制からスペイン君主体制へ―大航海時代の近代スペイン;スペインにおける君主制の展開―王位に関する大論争;一九七八年憲法における範としてのスペイン王室の性格)
第3部 異文化交流の諸相―前近代から現代まで(前近代日本文学における自我意識の発露―笑いという視点から;神話、島、発見;馬琴読本『侠客伝』における西洋光学機器―“千里鏡”による“覗き”;ロシア資料に見る一八世紀前半の日本とロシア、ヨーロッパ;多様化する住民と地域―愛知とバルセロナの事例から)
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