内容説明
明治末年、津田は日本近代の破局を予言した。天皇を軍事指導者に祀り上げる帝国に真っ向から対抗し、その本来の姿を説いた「津田裁判」。法廷対決に秘められた歴史の叡智とは?戦後70年、全く新しい「格闘する」評伝、津田左右吉。
目次
第1章 煩悶する明治青年の肖像―藤村操自殺の衝撃(底流としての佐幕;一茶論に現れる理想的人間像;一年で東京専門学校を卒業する ほか)
第2章 大正デモクラシー時代の国民性批判―エルテルからファウストへ(鴎外『かのやうに』が示す歴史家の宿命;自らの来歴を説明できない日本人;宿命を乗り越える歴史学 ほか)
第3章 東洋の日本で無く世界の日本であれ―昭和に現れた「脱亜論」(本居宣長の「からごころ」批判;内藤湖南、井上哲次郎らへの批判;不機嫌な津田 ほか)
第4章 大日本帝国との対決―「軍人天皇」から「国民の天皇」へ(帝国日本の正統性を問う裁判;帝国の唯物主義;宿命としての軍人天皇 ほか)
第5章 戦後日本人への項門の一針―成長なき日本人へ(敗戦;戦争中から「去勢」されていた日本人;生活は「なる」ことではなくして「する」ことである ほか)
著者等紹介
大井健輔[オオイケンスケ]
昭和56年(1981)2月28日生まれ。千葉県柏市出身。立教大学文学部史学科卒。同大文学研究科史学専攻修士課程修了。同大同博士課程中退。研究分野は日本思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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