内容説明
「歴史」はたんに過去の出来事をわれわれに伝えるのではなく、現代そして未来の人々の動向を規定する「力」を持っている。そこに学問として歴史を学ぶ意義が存在している。それでは、われわれはどのように歴史と対話すべきなのか―歴史学の基本である論文執筆のためのメソッドと観点を日本中世史研究の最新の知見とともにわかりやすく紹介、歴史を学び、考えることの醍醐味を伝授する。
目次
1 「歴史学」を学ぶということ(「科学」としての歴史学;歴史学の醍醐味;史料批判と史料操作;日本中世史の魅力)
2 論文を書こう―歴史学研究の方法を学ぶ(テーマを決める;参考文献を読む;史料を読む;構成を考える;註をつける/史料を引用する;推敲する;投稿しよう)
3 日本中世史研究の現在(中世摂関家論―中世的権門としての摂関家;中世前期国家財政論―税制・財政史から中世国家・社会の成立を考えるために;荘園史研究―中世天皇家の荘園の意味を考える;中世武士論―中性武士のとらえ方はどう変わったか)
著者等紹介
秋山哲雄[アキヤマテツオ]
1972年生まれ。国士舘大学文学部准教授。専門は日本中世史
田中大喜[タナカヒロキ]
1972年生まれ。国立歴史民俗博物館准教授。専門は中世武士団・在地領主研究
野口華世[ノグチハナヨ]
1972年生まれ。共愛学園前橋国際大学専任講師。専門は女院と女院領、中世公家社会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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niwanoagata
13
某研究者の方に勧められて読んだ。前半は論文の書き方、後半は論文集と言う構成。わかりやすくまとまっているが、多少物足りない様にも感じた。後半の論文集は時間がないので全て読んでいないが、分野別になっていて、専門外のものも多く、比較的面白かった。2020/05/31
吃逆堂
1
用あって再読。初学者向けを意識して書かれている人と、がっつり研究史整理されてる人とがいますね。どちらも大変勉強になります。2019/06/13
四不人
0
知らない分野の入門書としてはとてもいいと思う。やや中世前期に偏りすぎかな。2014/12/23
葉つき みかん
0
寝床のお伴だった本。私の不安な気持ちを落ち着かせてくれた。これのとおりに努力すれば、論文が書けるのではないかと思う。中世史の主要テーマについての研究史もありがたかった。2014/10/15
空木モズ
0
大学の図書館から借りた本を読了。歴史論文の書き方と各分野の先行研究について書かれた本。書く人書く人で文体が大分違っていた。2014/09/30