内容説明
中国、朝鮮、満洲、樺太、台湾、沖縄、南洋、東南アジア…個々のライフヒストリー・引揚体験を、より大きな東アジアの歴史の文脈に位置づけ、帝国の形成~崩壊期だけでなく、冷戦を経てグローバル化が進む現在までをも通して考察する。
目次
序説 東アジアの帝国をめぐる人の移動(帝国以後の人の移動;中華帝国の溶解と日本帝国の勃興 ほか)
第1部 帝国崩壊と人の再移動―引揚げ、定着あるいは残留(在中国朝鮮人の帰還―中国国民党の送還政策を中心に;帝国崩壊後の中国東北をめぐる朝鮮人の移動と定住 ほか)
第2部 戦後体制と人の移動(在日朝鮮人の戦後と私;アメリカ占領期における「密航」朝鮮人の取締と植民地主義の継続―佐世保引揚援護局における「密航者」収容所に着目して ほか)
第3部 ポストコロニアリズムとグローバリズムの交錯点(サハリン残留日本人―樺太・サハリンからみる東アジアの国民帝国と国民国家そして家族;“異国”を“祖国”として―いまも中国で生きる残留孤児 ほか)
著者等紹介
蘭信三[アララギシンゾウ]
1954年佐賀県生まれ。上智大学外国語学部教授(2014年度より上智大学総合グローバル学部教授)、熊本大学、京都大学を経て2008年より現職。京大博士(文学)。専門は国際社会学・歴史社会学。満洲移民・中国帰国者を研究してきたが、現在は日本帝国をめぐる人口移動を研究課題とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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