内容説明
中国南朝・梁の蕭繹(元帝)により作成された「梁職貢図」。そこに描かれた諸国・諸地域の使節図・題記は、6世紀における梁を中心とした国際秩序・文化的状況を鮮やかに伝える貴重資料である。近年、従来佚損していた倭国条の後半、そして新羅・高句麗や西域諸国の条を補う新資料「清張庚諸番職貢図巻」が見出され、「梁職貢図」をめぐる研究状況は新たなステージを迎えることとなった。本書では、「梁職貢図」の新出題記、そして従来の諸本の多角的検証により、その史料的位置付けを明らかにし、中心・周縁・辺縁の諸関係より構成される東部ユーラシアの世界構造を立体的に描き出す。
目次
第1部 東部ユーラシア世界の構造(東部ユーラシア世界史と東アジア世界史―梁の国際関係・国際秩序・国際意識を中心として―;梁職貢図と西域諸国―新出清張庚模本「諸番職貢図巻」がもたらす問題―;梁への道―「職貢図」とユーラシア交通― ほか)
第2部 テキストとしての職貢図(「梁職貢図」流伝と模本;台湾故宮博物院所蔵「南唐顧徳謙模梁元帝蕃客入朝図」について;「梁職貢図」逸文の集成と略解 ほか)
第3部 梁と「蕃夷」の国際関係(魏晋南北朝の国際関係;朝鮮・北朝の国際関係)
著者等紹介
鈴木靖民[スズキヤスタミ]
1941年生まれ。横浜市歴史博物館館長。専門は日本古代史・東アジア古代史
金子修一[カネコシュウイチ]
1949年生まれ。國學院大學文学部教授。専門は中国古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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