内容説明
“聖なるもの”を畏怖し、語り、解釈すること。このことは、宗教圏や言語圏、そして時代と地域を超越する普遍的な事象である。「聖地」「聖人」にまつわる言説は、なぜ世界各地に遍在するのか。“語りえないもの”を物語り、更新していくその心性とは何か。宗教的起源をめぐる根源的な問いに対する「比較縁起学」からのアプローチ。
目次
第1章 聖地の成立と変容(聖地の地下には―日本中世の宝珠・舎利信仰の一隅より;皆骨山から金剛山へ―「金剛山」名称誕生と十三世紀の高麗社会 ほか)
第2章 聖人伝の生成と展開(“成尋伝”への可能性;神に招かれた聖人―無学祖元の赴日因縁をめぐって ほか)
第3章 聖地をめぐる言説・儀礼・実践(聖地における本地仏と儀礼―中世石清水八幡宮の愛染明王信仰;先達の物語を生きる―行の実践における僧伝の意味 ほか)
第4章 聖人と聖遺物の図像学(懴悔の肖像―奈良・来迎寺の善導大師坐像をめぐって;弘法大師の十五夜―願われた死の日時 ほか)
著者等紹介
藤巻和宏[フジマキカズヒロ]
近畿大学文芸学部准教授。専門は日本古典文学、思想史、学問史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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