日本の図書館建築―建築からプロジェクトへ

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  • サイズ A5判/ページ数 320p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784585200741
  • NDC分類 012
  • Cコード C1000

内容説明

戦後日本の公共図書館建築の歴史をたどる―。日本の公共図書館は、いわゆる「箱モノ」から、コミュニケーションなどを重視した「有機的なモノ」へと変化を遂げている。こうした変化はいつごろから見られるようになってきたのだろうか?戦後間もない1950年代から、2020年代の現在まで、全国各地の特色ある公共図書館を紹介することで、図書館建築の歴史的流れを追った一冊。

目次

第1章 図書館が根付いた時代の建築(大阪府立中之島図書館(野口孫市)―空襲を免れた、古典主義の意匠をまとう明治建築
神奈川県立図書館(前川國男)―明快な理念を軽快に表現した戦後モダニズムの傑作 ほか)
第2章 多様化する図書館のデザイン(北九州市立中央図書館(磯崎新)―連続するヴォールトによるフォルマリズムとシンボリズム
軽井沢町立図書館離山図書館(三輪正弘)―玄関で靴を脱ぐ理由は、夏だとわからない ほか)
第3章 新しい状況がもたらす図書館建築の変化(仙台市民図書館/せんだいメディアテーク(伊東豊雄)―21世紀の幕開けに生まれた、情報化時代の空間
国立国会図書館国際子ども図書館(国土交通省関東地方整備局、安藤忠雄、日建設計)―レンガの様式建築に衝突する鉄とガラスとコンクリート ほか)
第4章 現実空間と情報空間が重なった時代の環境としての図書館(「からまりしろ」と図書館;本屋としての図書館 ほか)

著者等紹介

五十嵐太郎[イガラシタロウ]
1967年生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。東北大学教授。専門は都市・建築理論。ヴェネツィアビエンナーレ国際建築展2008の日本館コミッショナー、あいちトリエンナーレ2013の芸術監督、「インポッシブル・アーキテクチャー」展(2019‐2020年)の監修などをつとめる

李明喜[リミョンヒ]
1966年生まれ。デザイナー。アカデミック・リソース・ガイド株式会社(arg)取締役CDO(最高デザイン責任者)。1998年、デザインチームmattを立ち上げ、商業&公共施設の空間デザインやアート・キュレーション業務を行う。2014年より、arg社のデザイナーとして、須賀川市、西ノ島町、長野県などで、図書館を中心とした新しい文化施設づくりや地域のデザインにあたっている。図書館管理運営計画、ミュージアムキュレーションなどを担当した「須賀川市民交流センターtette」は、2019年グッドデザイン金賞を授賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

更紗蝦

23
ハコモノとしての図書館だけでなく、情報環境も視野に入れた内容です。2021年の発行なのに、水害対策とコロナ対策に対して何の言及もなく、災害対策というとせいぜい地震対策にしか触れていないので、おそらくこの本の企画が立てられたのは台風被害で図書館の水害対策の脆弱さが露呈した2019年以前なのではないでしょうか? コロナ禍が収束しない今とあっては、閲覧コーナーにソーシャルディスタンスへの配慮がないことが目立ち、将来的にこの本は(著者の意図から外れて)「コロナ禍の前の公共建築の在り方」を記録した資料になり得ます。2021/04/18

Tadashi_N

16
本の閲覧から文化活動まで、役割の広がりと建物への要求の多様化。2022/04/14

軍縮地球市民shinshin

11
戦後の公共図書館建築を紹介する写真集。最近建てられた新しい図書館は、複合施設、市民のコミュニティスペース、長時間滞在に耐えうる図書館、というのがキーワードで設計されている。福島県須賀川市の図書館は円谷英二生誕地ということもあり、駅から図書館までは歴代ウルトラマンと怪獣の像があり、館内最上階には円谷英二ミュージアムが入っている。図書館は地域住民のための施設なのだが、最近は街おこし、地方創生、観光地としての役割も求められている。それを反映した図書館建築が多いのだなぁと思った。一昔前とは違う。2021/07/06

きゅー

8
建築デザインの観点から、戦後日本の公立図書館を概観する一冊。編年体のため、図書館建築がどのように変わってきたか具体的に見ることができる。近年の公立図書館は、他の公共サービスとの複合化が進んでいる。ワンストップで公共サービスを受けられるため地域住民も集まりやすく、サービス提供側も機能を一点に集中できるので効率的だそうだ。また、かつての図書館が管理側の視点で作られていたのに対し、現在の図書館は利用者視点で作られるようになった。また、貸出重視から滞在重視へと変遷した様も手にとるように見ることができる。2021/12/10

わっか○

1
図書館は家以外に気軽に寄れる、居場所になるんでしょうね。居心地のいい図書館のある町を選んで住みたい!と思わせてくれる一冊です。2021/05/03

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