内容説明
文化財は過去から現在にまで伝えられた人類共通の文化遺産である。それらは、長い時間の流れの中で創造され、保護され、伝承されてきた。文化財を観光資源とする危うい時代状況に直面する今、文化財を未来に伝える仕事である修理という営みにおいてわれわれは何をなすべきなのか、何ができるのか―文化財をめぐる現代的課題を共に考え、共に歩むための道標を示す。
目次
1 文化財修理の思想(文化財の保存と活用;文化財修理の理念;文化財修理の歴史;文化財修理の心構えとあり方)
2 文化財修理の実践(修理技術者の証言―田畔徳一氏との対談;文化財修理の実践―損傷と修理方針;文化財修理の実例;文化財修理の世界)
著者等紹介
池田寿[イケダヒトシ]
昭和32(1957)年生まれ。日本女子大学非常勤講師、元・文化庁文化財部美術学芸課主任文化財調査官。専門は日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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浅香山三郎
12
日本の文化財の、取り分け、和紙で出来た文化財の修理の理念・実践を解説する。理念の話も、実践の話も、淡々と書いてゐるやうにみせて、「はじめに」で文化財保護の仕事に長年携わつてきた人ならではの熱い思ひも伝はつてくる。 最近の文化財保護法改正の思想に触れ、「日本の文化財の特質を正しく理解せず、軽視するような文化行政がこのまま行われるならば、文化財破壊の暴挙と言わざるをえない。そして、この文化財の破壊がそのまま人間の破壊であることを正しく認識すべきである。」とするのは至言である。2019/07/23
きくち
1
お勉強用。2019/04/26