新鋭作家論叢書
小川洋子―見えない世界を見つめて

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  • サイズ B6判/ページ数 232p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784585055136
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

内容説明

読むこと=考えること=書くこと。現代文学の最前線にいる作家をはじめて本格的に論じ、読む楽しみを再発見する。次世代の作家論に先鞭をつけるはじめての評論。“物語の力”を信じつづける作家は閉塞した現代小説を乗り越えられるか―人気作家の作品世界をわかりやすく解明。

目次

第1章 モラトリアムと抽象的な空間―『揚羽蝶が壊れる時』『完璧な病室』
第2章 過食症と拒食症―『シュガータイム』『妊娠カレンダー』
第3章 “異界と記憶”の物語―『冷めない紅茶』『余白の愛』
第4章 もう一つのレールと記憶の消滅―『アンジェリーナ』『密やかな結晶』
第5章 性愛の世界と異能の人―『やさしい訴え』『凍りついた香り』
第6章 “善意と記憶”の物語―『沈黙博物館』『博士の愛した数式』
第7章 金光教の“取次ぎ”と作家の役割
第8章 “小さな物語”論
第9章 新たな展開の模索―『ミーナの行進』『猫を抱いて象と泳ぐ』

著者等紹介

綾目広治[アヤメヒロハル]
1953年広島市生まれ。京都大学経済学部卒業。広島大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、ノートルダム清心女子大学教授。「千年紀文学の会」会員。「試想」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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3
79点。なかなかの力作。金光教は小川洋子の背骨のようになっているという部分は参考になる。「過去を見つめること」が小説を書くことの原点ならば、想像力によって未来を切り拓こうとする小説の役割は否定されるのか、という著者の問いは鋭い。この時点での小川洋子の限界を衝いている。現在はこの限界を突破したのだろうか? 2024/02/15

fantamys

1
小川洋子の作品のテーマを処女作から追っていくことで解き明かそうとする試み2021/11/13

し、も、だ、

1
私は小川洋子好きになってからずっとずっと、こういうのが読みたかったんだと思う。小川洋子の書くそれこそ非日常的な世界に言及している。近代作家だとあんまりこういう本が出ていないから凄く嬉しい。もっと読みたい。おかわり求む。2012/08/06

りんたろー。

0
各章で論じらる一つ一つのキーワードは興味深いものであった。小川洋子作品以外の作品を考察するうえでも、これらのキーワードを生かすことが出来るように思う。非常に読みやすく、また、各章ごとの連絡がとれており、ページをめくるのが楽しくもある。2014/06/30

ふゆ

0
曖昧なものを曖昧なままに、ありのままを言葉にして書き記す小川洋子さんの作風や作品の特徴、傾向、違和感などについての考察、分析が綴られていた。作品に対する理解が深まったというより、あらゆるところに散りばめられている小川洋子さんの引用文の素晴らしさにときめいて、小川さんの作品を読むことがどんなに贅沢なことなのか改めて意識した。2014/01/16

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