内容説明
読むこと=考えること=書くこと。現代文学の最前線にいる作家をはじめて本格的に論じ、読む楽しみを再発見する。次世代の作家論に先鞭をつけるはじめての評論。“物語の力”を信じつづける作家は閉塞した現代小説を乗り越えられるか―人気作家の作品世界をわかりやすく解明。
目次
第1章 モラトリアムと抽象的な空間―『揚羽蝶が壊れる時』『完璧な病室』
第2章 過食症と拒食症―『シュガータイム』『妊娠カレンダー』
第3章 “異界と記憶”の物語―『冷めない紅茶』『余白の愛』
第4章 もう一つのレールと記憶の消滅―『アンジェリーナ』『密やかな結晶』
第5章 性愛の世界と異能の人―『やさしい訴え』『凍りついた香り』
第6章 “善意と記憶”の物語―『沈黙博物館』『博士の愛した数式』
第7章 金光教の“取次ぎ”と作家の役割
第8章 “小さな物語”論
第9章 新たな展開の模索―『ミーナの行進』『猫を抱いて象と泳ぐ』
著者等紹介
綾目広治[アヤメヒロハル]
1953年広島市生まれ。京都大学経済学部卒業。広島大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、ノートルダム清心女子大学教授。「千年紀文学の会」会員。「試想」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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