出版社内容情報
古代政界の我執を如実に顕す応天門の変。真犯人は誰なのか。今日に至っても解明されなかった謎を、鮮やかに解き明かす画期的論考。
内容説明
共鳴しあう三つの時代の考究から見えてくる数々の新事実!応天門炎上の真犯人は誰なのか?絵巻に描かれた謎の人物は一体誰なのか?新視点により事件の真相、絵巻作成に秘められた意図が鮮やかに解き明かされる。
目次
序章 応天門の炎上
第1章 伴善男の生い立ち―大伴氏をめぐるキーワード
第2章 応天門の変の前夜
第3章 嵯峨源氏―嵯峨源氏をめぐるキーワード
第4章 応天門の変の真相―事件から事変へ
第5章 『伴大納言絵巻』の謎―謎は解かれた
著者等紹介
倉西裕子[クラニシユウコ]
昭和38年、東京都生まれ。日本女子大学文学部史学科卒業(中世英国史専攻)。日本赤十字社国際部を平成8年に退社後、日本史の研究に入る。専門領域は日本書紀紀年法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆうゆう
5
伴大納言絵巻の謎①絵巻の3人は誰か?②主人公、伴大納言がどこにも描かれていない。応天門の変の真相から謎を追った結果、応天門の変の経緯だけでなく、7世紀から12世紀、3つの歴史を盛り込んだ異時代同図法が駆使された歴史絵巻であった。伴大納言絵巻、出光コレクション、見たいなぁ!2016/12/07
Fumihiko Kimura
1
史料が少ない時代ってのは書き方が難しい。筆者が相当想像を膨らましているようにも思うが、そう無理な見立てではないような。読む前は、本書より前に出ている黒田日出男氏の説の扱い辺りに興味を持ったが、特段の反駁などを見られず、その点少々残念。2012/12/31