内容説明
チェスター・ビーティー・ライブラリィ蔵の絵巻三軸は、流布本系の一本であり、本文は寛永頃刊絵入り本や学習院大学蔵絵巻など、他の流布本系諸本とほぼ同文である。絵に描く場面の選択や構図なども他の流布本系絵巻と多くは共通するが、相違する点もいくつかある。総じて丁寧に描かれた良質の作品であり、近世前期に制作された典型的なお伽草子絵巻として捉えられる。
目次
俵藤太物語絵巻
解説(大島由紀夫)
歴史上の藤原秀郷(小林祥次郎)
蛇と百足の民俗学(真弓常忠)
著者等紹介
大島由紀夫[オオシマユキオ]
1959年生まれ。群馬工業高等専門学校教授。日本中世文学専攻。『神道集』所収の縁起伝承を中心に、中世後期から近世前期にかけての物語・説話の生成と展開について研究している
小林祥次郎[コバヤシショウジロウ]
1938年生まれ。東京教育大学文学部文学科卒業。2001年、小山工業高等専門学校教授を退官。中近世日本語語彙、俳文字専攻
真弓常忠[マユミツネタダ]
1923年生まれ。神宮皇學館大学(旧制)卒業。住吉大社宮司・皇學館大学名誉教授。神道学・神道史、とくに古代祭祀の研究。現在日中交流の歴史を研究している
前原由幸[マエハラヨシユキ]
1960年生まれ。筑波大学大学院修士課程教育研究科修了。帝京大学理工学部助教授。英語学・英語教育専攻。高校教諭、高専助教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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