内容説明
「震度7の余震が来る」といった災害予知流言、「被災地に窃盗団が出た」とふれまわる被害流言。災害後、こういった流言が生まれるのはなぜか?「繰り返し悲惨な映像を流し続ける報道が意図せず招く負の効果」とは?どうして人は「災害の警報をすぐに信じられない」のか?水害、地震、火山噴火などの災害時の警報の仕組み、避難の方法、被災者への経済的支援の流れ、日本人の災害観まで。さまざまな災害と社会心理を、キーワードで読み解く。
目次
第1章 「流言」と「パニック」―災害後の混乱の二大要因を読み解く(災害時、災害後にも流布するさまざまな「うわさ」は性質によって4つに分類される;災害後に発生するさまざまなうわさの発生理由と否定できない仕組み流されないために注意すべきこと ほか)
第2章 災害報道と災害時の通信―意図せず招く負の効果を大分析(テレビで放映される映像は被災地のごく一部であってすべてではない;被災地、被災者というイメージの固定を招く「過集中」の過程 ほか)
第3章 災害と経済―災害にまつわるお金、被災者への支援など(義援金はどういうルートをたどって分配されるのか?義援金と支援金の仕組み;1991年から始まった被災者個人や被災中小企業をも直接支援できる基金 ほか)
第4章 災害と人間―災害に対する心理と災害予知、警報の仕組み(災害多発国に住む日本人には独特の「災害観」がある;主張や解説が必要になった段階で人の心は疑念でいっぱい!「安全」は上手く伝わらない ほか)
第5章 災害時の行動と日頃の防災のコツ(水害―利根川・荒川の氾濫予測と避難時のポイント;地震―避難の実態調査と避難のポイント ほか)
著者等紹介
関谷直也[セキヤナオヤ]
1975年、新潟県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。東京大学大学院人文社会系研究科社会情報専門分野博士課程単位取得退学。東洋大学社会学部准教授。専門は、災害情報・環境情報の社会心理、安全社会論。2007年、日本災害情報学会学術貢献分野・廣井賞受賞。2009年、日本広報学会賞優秀研究奨励賞・日本広告学会賞学術部門賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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