ワニ文庫
まるわかり江戸の医学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 237p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784584393130
  • NDC分類 490.21
  • Cコード C0130

内容説明

専門的な施設や高度な技術で作られた医療器具が存在せず、病の知識も乏しかった江戸時代の人々は、どのようにして病魔と戦ってきたのだろうか?本書では「医者」「病」「薬」などの観点から、江戸時代の医学について解説している。まだ戦国時代のきな臭さが残る江戸初期から、一気に近代化に進んだ江戸後期まで、この約200年のあいだに見せた日本の医学の進化、発展の歴史を紐解いていく。

目次

第1章 江戸の医療事情(遣隋使により大陸から医学知識を体得―江戸期以前の医療事情;医師制度が確立する傍らで、東洋医学が民間に広がる―江戸初期の医療事情 ほか)
第2章 江戸の医師(大奥にも入ることを許された医師―奥医師;誰でもなれるからこそピンからキリまで―町医者 ほか)
第3章 江戸の病(江戸末期に猛威をふるった伝染病―コレラ(三日コロリ)
江戸を襲った高熱の病―麻疹 ほか)
第4章 江戸の薬(万病に効いた!?江戸期の薬の真打―薬用人参;富山の置き薬の原点―反魂丹 ほか)
第5章 江戸の民間療法と信仰(驚きの治療法もいっぱい!?―庶民の知恵;身近な治癒法として大ブームが巻き起こった―温泉療法 ほか)
第6章 江戸の医学の雑学(当時の日本のトップたちの死因とは?―将軍たちの病気;偽物が出回りやすかった売薬の環境―たくさんあった怪しい薬 ほか)

著者等紹介

酒井シヅ[サカイシズ]
1935年静岡県生まれ。三重県立大学医学部卒業。東京大学大学院修了。医史学専攻。順天堂大学医学部教授を経て、同大特任教授・名誉教授、日本医史学会理事長などをつとめる。テレビドラマやコミックの医学監修などでも知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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mawaji

7
国立科学博物館特別展「医は仁術」に行った際、かはくミュージアムショップで購入。加持祈祷などの古代の医療から脱却し医療制度の基礎や薬価統制などを整備した8代将軍・吉宗の政策が、ヒラリーさんやオバマ大統領も羨む国民皆保険制度に繋がっていったのかと思われました。川柳や落語にみる医学ネタも興味深く、藪医者の項目はちょっと耳が痛い感じ。Narrative based medicineとして300年以上も前に現代でも通用するレベルの医学的知識を得ていた貝原益軒の「養生訓」も早く読まなきゃ養生する時間がなくなっちゃう。2014/06/19

jj

0
戦国時代を経た江戸時代の外科医は、欧米諸国を驚かすほどの技術を持っていたなんて初めて知った。お祭りなどのイベントがあると、喧嘩っ早い江戸っ子のけがの処置で、外科医は大繁盛したというのは納得した。職業選択の自由のない時代で、医師は誰でもなれて、一部を除き現代と異なって身分が低かった等々、驚きの連続で結構楽しめました。2015/12/01

のらねこ

0
「JIN-仁-」の医学監修をされた方の本。江戸時代を席巻していた結核や梅毒と言った病から、当時流通していた民間薬(現在でも販売されてる薬を含む)などを解説。当時の文化風俗が見えない病という脅威に対して、半ば諦観めいた思いと、神仏へと藁にもすがる思いで健康を願っていたことがわかってくる。お医者さんに感謝したくなります。江戸時代に生まれていたら、自分も成人できなかったろうなあ・・・。2012/10/05

ゆう

0
今年話題になった(?)JIN-仁-の医療監修者の酒井シヅ先生の著者。医療に携わろうとしている人だけでなく、歴史好きの人が読んでも面白いだろうと思われる一冊。2011/07/31

魑魅魍魎

0
タイトルの通り,江戸の民間療法から医療制度,薬まで,様々な江戸の医学を紹介した本.玉石混淆ながらも,経験則と西洋医学の受容を経て,近代の医学へと進歩していく時代の空気が感じ取れる.民間信仰の記述には怪しいトコロもあるが,江戸の薬の紹介は興味深く読める.時代モノ,落語ファンは必読.2011/05/08

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