内容説明
元三島町の親分、御用聞上がりの弥八老人が、若い文士こと「私」を相手に語る昔語り。銭ならぬ硬く炒った豆のつぶてを放ち、屋根から屋根へ跳び移る大鼠を撃ち落とした初手柄が評判となり、ついた通り名は、“鉄砲の弥八”。二十年以上にわたる御用聞稼業での武勇伝は数知れない。三河町の名親分を向こうに張った功名談を、随所に江戸っ子のしゃれッ気を混ぜて描く。四話仕立てのお噺しは面白可笑しく、江戸情緒も満載。
著者等紹介
飯島一次[イイジマカズツグ]
1953年、大阪府生まれ。大阪芸術大学舞台芸術学科卒業。映画、演劇、落語など広く映像演劇に親しみ、鑑賞するタイトルは年間で優に200本を数える。日本映画ペンクラブ会員、日本シャーロック・ホームズ・クラブ会員、現在、西東京シネマ倶楽部所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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喪中の雨巫女。
15
《母‐図書館》面白い。テレビドラマや小説で有名な方々が登場する。弥八親分もかなり、個性的なキャラクターでした。2011/07/01
あかんべ
7
半七捕物帖を思い出した。江戸っ子ぶりはちょっと抑えられたが、きめ台詞が歌舞伎の台詞の様に七五調なのが笑える。2015/02/19
マカロニ マカロン
2
個人の感想:A。明治維新で退職した「鉄砲の弥八」親分が老人になって、昔語りをする。炒った豆を投げて盗賊を逮捕するキメ技を持つ。遠山の金さん、鼠小僧、水戸斉昭などが登場して、ドタバタな捕り物帳が繰り広げられる。老人の昔話を聞き書きするストーリー展開は半七捕物帳と同様であり、シャーロックホームズとワトソン君的でもある。鰻屋の話がよく出てきて、読んでる途中で鰻を食べたくなってしまいました。2012/01/15