目次
序章 双方社会論とマザコン文学
1章 父になれない日本の男たち
村上春樹論―国際的なピーターパン・シンドローム
丸谷才一論―女性記者を芸者と見なす大家の権威主義
村上龍論―母子一体感に彩られた負の作家
島田雅彦論―気鋭は日本的プレ・モダンから逃れられるか
中上健次論―一夫多妻、妾制度と添い寝した
終章 養子制と近代文学
感想・レビュー
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kenitirokikuti
9
図書館にて。1993年刊行。最近マザコンって批評の言葉には上らなくなったな。いまジークアクスでシャアがピックアップされてるけども、シャアはララァにマザコンないしロリコンと言われたものだ▲柄谷行人が正調マルクス主義の家父長制批判を批判して、私小説には双系制がどうたらと言っていて、本書もその向きで書かれている。けっきょくアカデミアに日共のシンパが多く、左翼系がそこらをつつく、てな構図があっての「マザコン・ロリコン論」であって、マルクス主義的家族論という前提が場にないのであれば、意味がないだろう(もうないよな2025/02/06