法廷絵師は見た!

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784584188668
  • NDC分類 327.6
  • Cコード C0095

内容説明

「犯罪とはいったい何なのか。世の常識の、何といい加減で、軽々しいことか!」男は、常に傍聴席の最前列に陣取り、絵筆を走らせながらも、時に怒り、時に同情のあまり涙した。本書は、法廷という劇場の、ありのままの姿を描写し、伝えることに命を削った男の記録である。

目次

第1章 人間って、つくづく弱い生き物だと思う。(連続幼女誘拐殺人事件―宮崎勤被告;首なし女性焼死体事件他―小野悦男被告 ほか)
第2章 「人間の本質は悪」という思いがますます募った。(松山強盗殺人事件―福田和子被告;長崎保険金殺人事件―山口礼子被告 ほか)
第3章 神があるなら、彼らを助けてください!(オウム真理教事件―麻原彰晃被告;岡崎一明被告 ほか)
第4章 市民感覚を超えた独特の感性と言うしかない。(ハーグ事件他―重信房子被告;石橋産業手形詐欺事件他―許永中被告 ほか)
第5章 人はどうしてこの手の男にひっかかるのだろう。(スーパーフリー集団強姦事件―和田真一郎被告;東京都迷惑防止条例違反―植草一秀被告 ほか)

著者等紹介

大橋伸一[オオハシシンイチ]
福島県会津若松市出身。1966年、東京藝術大学工芸科卒。日本天然色映画(株)、等の会社を経て、1977年より、フリーのCMディレクターとして活躍する。1993年、リクルート事件より、TBSからの依頼で法廷絵師に。「もともと、絵の仕事がしたかった」という夢をかなえる。その後オウム裁判等の大事件に遭遇し、法廷絵師の第一人者となる。2005年1月急逝。享年66歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フクミミ

18
裁判の傍聴席の前列で、被告人の様子を描くのが法廷画家だ。この本に収められているのは、記憶に残っている様な有名な事件ばかりだ。大橋氏の仕事(法廷画)とともに、感情がほとばしる様なコメントが事件を一層生々しくさせる。 裁判の傍聴記録とはまた違った裁判記録で、興味深いものがあった。2017/10/08

G-dark

8
法廷絵師として様々な事件の被告人を描いてきた著者の本。10年以上に渡って描いた法廷画と事件への素直な感想、事件についてジャーナリストや作家が寄せた原稿を収録。著者は被告人の傲慢さ、残虐さだけでなく、不幸な境遇、孤独も近くで見聞きしてきたため、被告人に憤ることもあれば、哀れむこともあります。しかし被告人の境遇がどんなに不幸でも、罪はしっかり償われるべきだとわたしは思います。けれど、身近で被告人の姿を見て、話を聞いた著者にしか感じ取れない何かもあったのかもしれません。人が人を裁くことの難しさに気づかされます。2018/11/25

アルカリオン

7
①法廷絵師の仕事の流れ(時間との闘い)②裁判傍聴時のメモ取りが解禁されるまでの経緯(そして、法廷での「絵」が「メモ」扱いであることの説明)が興味深い▼ただし、そうした記載の比率は少なく、耳目を集めた事件の要約や、法廷絵師による「単なる感想」、ジャーナリストによる事件要約&感想が多い▼書籍全体としてはあまり評価できない。2020/09/15

まいこ

6
有名な事件のいくつかの裁判について、法廷絵師の見た被告、記者の見た被告の小ネタが紹介される。法廷絵師の大橋さんは母子家庭に育ち、母子家庭や貧困家庭に育った被告人には入れ込んでいたようだ。一方で、貧困の底のような子供時代を過ごした松本智津夫には激しい嫌悪感を隠さない。それにしてもすごい仕事だと思う。午前中の裁判の被告の様子を、お昼のニュースに間に合うようにスケッチしている法廷絵師、すごい。2015/04/07

pom

5
一昔前、オウム裁判で何度も目にした大橋伸一さんの絵。本になったものをじっくり見てデッサンの上手さに改めて感じ入りました。この本を作っている途中に急逝されたとのこと。傍聴のコメントには被告に同情的なものが多く違和感もあったが、自身の生い立ちから深い共感を寄せているそうです。「法廷の人間は自分を守るため嘘をつきまくる。自分も日本画をしたかったが貧乏を脱却するため平面デザインを専攻した。地球上の人間は皆同じようにして生きているんじゃないか」重い言葉です。しかしながら犯罪のオンパレードに疲れました。2015/04/12

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