出版社内容情報
戦後日本の低迷・没落、幸福度の低さ、その背後に潜む7つの真実を取りあげ、現実をとらえる論理的かつ新鮮な視点を提示する。
見事に間違ったままの状態で、物事に対応し進んでしまっている日本の現状に問題を投げかける。
佐藤健志[サトウケンジ]
著・文・その他
内容説明
平和のもとで、国はたいがい繁栄する。だが戦後日本の平和主義は、貧困を不可避的にもたらすのだ!こうして日本は、誇りと絶望のはざまで、対米従属の経路を歩む。だが行き詰まり、末路が近づけば近づくほど、なぜか爽快になってくる!何かがおかしいのは明らかだ。とはいえ、おかしいのは何なのか?わが国の低迷や没落にひそむ、七つの真実をさぐることで、「賢い者ほどバカをやらかす」現状を脱却し、未来にいたる道を示す。
目次
序章 賢いほどのバカはなし
第1章 平和主義は貧困への道
第2章 平和主義は少子化への道
第3章 愛国は虚妄か、さもなければ売国だ
第4章 経世済民のために経世済民を放棄せよ
第5章 従属徹底で自立をめざせ!
第6章 政治は口先と言い訳がすべて
終章 不真面目こそ未来を拓く
著者等紹介
佐藤健志[サトウケンジ]
1966年東京都生まれ。評論家・作家。東京大学教養学部卒。1989年、戯曲「ブロークン・ジャパニーズ」で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞受賞。ラジオのDJやコメンテーターはじめ、各種メディアでも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
27
平和主義と貧困に何の関係があるのか疑問に感じるかもしれないが、根底には繋がっている。もちろん平和主義には2種類のタイプがある。一つは武力を辞さない姿勢を示すタイプ。もう一つは経済的圧力などあくまで外交で対抗するタイプ。日本は後者のタイプであるが、景気回復に必要な国債発行、財政出動は戦争時の経済政策と重なり、財政均衡を志すことは、貧困からの脱出に躊躇し、非常時の軍備も整えることができない後者の平和主義につながっていくことになる。2018/10/08
hk
23
どうにも著者の筆致はアルコールの香りがする。論理の飛躍や破綻そして自己愛がてんこ盛りだ。いや著者の中では繋がっているのかもしれないが、伝えるためには読者の中で繋がるよう工夫をこらさなければならないのではないか。…という訳でワタシにとっては論理展開に得心のいかない一冊だ。しかし「国家から家を引き算したのが戦後日本”国”」「愛国心は国民の忠誠心、ナショナリズムは国の包容力・求心力?」「GHQの二面性~米の建前と本音」…などなど面白そうなアプローチが散見されるので独善的な筆致を修正して捲土重来してもらいたい。2019/02/01
鉄人28号
15
☆☆ 第1章の「平和主義は貧困への道」という考えはよく理解できた。同感である。本書によれば「平和主義」とは、「他国との利害対立が、武力衝突(戦争)にいたることなく調整・解決されている状態」を何より重要と見なし、この状態が維持されることに最大の価値を見出す立場」と定義づけられている。しかし、この平和主義を貫けば「平和」が維持されるとは限らない。戦後、我が国が戦禍を被ることがなかったのは、冷戦下においてアメリカの庇護を受けたことや特需にはじまる高度経済成長があったことなどの好条件が重なったからである。2021/10/19
Artemis
15
戦後の日本が歩んできた道は、いろんな人の思惑によってなるべくしてなった。本質を知っているのはごく限られた部分で、口当たりの良い表面だけ見せられて都合よく流されている感は否めないけど、こう言う思考の人がいる、それが発信できる状況にあると言う点に置いて日本は平和だと思う。2020/03/13
だろん
10
前から気になっていた本ですが、このダヴィンチ11月号の「おすすめ図書」で思い出しました。表紙絵のかもす雰囲気とは違い、三島由紀夫氏の命日を迎えるにあたって、まことに感慨深い内容のものでした。2018/11/25