出版社内容情報
芥川賞作家・柳美里氏の自選作品集第二巻。代表作であり芥川賞を受賞した「家族シネマ」、第24回泉鏡花文学賞、第18回野間文芸新人賞を受賞した「フルハウス」。すでに絶版となり復刊の声が最も多かった2作を収録。そのほか「水辺のゆりかご」「家族の標本」。
柳美里[ユウミリ]
著・文・その他
内容説明
著者初の単行本デビュー作から芥川賞受賞作品、エッセイまで。誰にでもある家族。「幸福な家庭」の挿絵は虚像か、それとも実像となるのか。柳美里が描いた「家族」に潜む身体的物語の傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
119
柳美里は、新作中心に読んでいる作家です。【柳美里自選作品集全六巻完読プロジェクト】 http://best-times.jp/articles/-/9032 第二巻は、芥川賞受賞作『家族シネマ』を含む私小説集でした。オススメはやはり『家族シネマ』です。「男は、金かセックスがあれば、何とかなる。」名言です。この二つを持っていたのが、紀州のドンファンでした(笑)続いて第三巻へ。2018/08/08
つかほ
6
書くことの大切さを思う。解説にある通り、心に堆積した土砂を掘り返し、捨てたり、拾い上げたりして、新たな一歩を踏み出すイメージ。2019/06/01
dubstepwasted
3
壊れた家族の物語を、もしくはどの家族にも生じうる亀裂をまざまざと見せられる。 一番印象に残った物語は『潮合い』。小学校の小さな世界の中で、転入生を攻撃することで自分を守ろうとする女の子の、ヒリヒリとするような物語。2019/09/28