芸能人と文学賞―“文豪アイドル”芥川から“文藝芸人”又吉へ

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芸能人と文学賞―“文豪アイドル”芥川から“文藝芸人”又吉へ

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  • サイズ B6判/ページ数 287p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784584138052
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

又吉直樹『火花』の芥川賞受賞により盛り上がる「芸人文藝」。文藝出版においてこの現象をどう考えればいいのか―。サイト「直木賞のすべて」での徹底した研究姿勢が評価される著者が、文学賞と芸能人の関係を中心に、その歴史的推移をまとめる。

内容説明

お笑いタレント・俳優・歌手・キャスター・放送作家・落語家・ポルノ女優、文学と“深く”関わり、文学賞を目指した「文藝芸人」たち。

目次

第1章 現代の芸能人小説と文学賞事情
第2章 芸能人の小説が、文学賞と出逢うまで
第3章 俳優たちの文才が、文学賞を盛り上げる
第4章 作家のタレント化と、タレントの作家化
第5章 八〇年代に起きた大転換と大騒動
第6章 ミュージシャンたちの多彩な文業
第7章 文学賞に応募して小説の道に入る芸能人たち
第8章 お笑い芸人たちの大躍進

著者等紹介

川口則弘[カワグチノリヒロ]
1972年、東京都生まれ。直木賞研究家。筑波大学比較文化学類卒業。昼間は会社員として働きながら、趣味である「直木賞」研究にコツコツと没頭。ついに2000年、直木賞非公式WEBサイト「直木賞のすべて」を運営。さらに趣味が高じて「文学ではなく、大好きな文学賞」の研究範囲が拡大。「芥川賞のすべて・のようなもの」、「文学賞の世界」のサイトまで運営。いつしか、“街場の”直木賞研究家として執筆デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tomi

33
「直木賞のすべて」管理人の著者が徳川夢声の昔から現代まで、芸能人(有名人)と文学賞の関りを様々なエピソードで繙く。芸能人が小説を書くとマスコミがそれ直木賞だと騒ぐのも、何かの賞にノミネートされると話題作りと勘ぐるのも、主にお笑い系の人たちが本を出すと直木賞を狙ってると宣言するのも一種の伝統になっているようです(笑) 今では忘れ去られた作家(?)や作品も多く取り上げられていて、文学賞好きとしてはとても興味深い本。ただ自分の手で書いていない作品に授賞しても良いという考えにはやはり反対です。2017/10/08

そうたそ

29
★★★☆☆ 記憶に新しい又吉の芥川賞受賞。芸能人から作家へ、作家から芸能人へ。その繋がりを支えるかのような文学賞について、その関係性について繙いていく一作。芸能人作家ってこんなにいたんだ、という驚きがまずひとつであるが、ほとんど知らなかった。青島幸男とか石原慎太郎とか、その辺りの極有名な人物は知らず、芸能人作家といえど大半は忘れ去られていった人物なのだなあ、と。あくまで「紹介」的な役割に終始している一冊なので、作者自身の考えが書かれていることに期待すると、肩透かしを喰らうだろう。2017/11/21

くさてる

22
これまでに文学賞の候補に上げられた人々を取り囲んだお祭り騒ぎと浮き沈み、どったんばったんの大騒ぎを当時の記事を多く引用して語っていて、わたしのようなミーハー文学好きにはゴシップ盛りだくさんで楽しい本だった。ブロガーの本だけあって文体も軽くて読みやすいです。賞や小説そのものについての解説や文学的価値を語るような本ではないのでそこはご注意を。 2017/10/22

緋莢

20
図書館本。2015年7月。第153回芥川龍之介賞を又吉直樹が『火花』で受賞して大きな話題になりましたが、芥川賞、直木賞などの文学賞と芸能人の〝関係”は意外にも昔からあって、俳優・女優など芸能人が小説を書けば大体、「目指せ直木賞(芥川賞)」、「直木賞(芥川賞)を取るか!?」と言われていたそうです。「文芸の外の人が2作目なのに上手に書けているというイロモノ扱いのままで審査された作品と僅差だった」と、山本周五郎賞を受賞した際に湊かなえが、候補作となった押切もえの作品にそう言ったらしいのですが(続く 2018/01/07

まさむね

11
芸能人や有名人が小説を書くと、すぐに「目指すは芥川賞、直木賞」みたいにマスコミが騒ぎ出す……のは、なにも又吉直樹に始まったことではなく、ずっと昔から延々続いてきたある種の伝統である、という趣旨の本。徹底的に調べてカテゴリー別に纏め上げており、ああ、あの人も小説書いてたなあ、この人はもう作家の方が知名度高いよなあ、とかいろいろ思い出しながら読んだ。「直木賞のすべて」の管理人さんだけあって、直木賞のみならず文学賞全体へのシニカルな視点と文章にはニヤニヤしてしまった。最高です。2017/08/04

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