内容説明
台所仕事ひとつにも心ときめく風景がある。旅好きで知られる住宅建築家中村好文が日々の暮らしの津々浦々を訪ね歩いて綴った42通の旅だより。
目次
生活の舟を軽やかに
ロストバゲージの教訓
旅ねずみ、右往左往の三十年
台所の憂愁を払拭する道具
ジョンの部屋の本棚の高さ
天変地異に備える住宅
領収書の裏に雲雀のさえずり
石垣島行きのバス
夏の音、夏の味
シャーレの中の蝉しぐれ〔ほか〕
著者等紹介
中村好文[ナカムラヨシフミ]
1948年千葉県生まれ。1972年武蔵野美術大学建築学科卒業。1972~74年宍道建築設計事務所。1976~80年吉村順三設計事務所。1981年レミングハウス設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
43
胸の内にぽっと火が灯るような心地よいエッセイ。手触りといい、ちょうど手のひらに収まる大きさといい、どこをとっても好ましい。繰り返し手に取りたくなる一冊。2024/04/07
kyokyokyo3201
29
建築家中村好文氏の短いエッセイが42編。彼のセンスや暮らしぶりが垣間見られる。写真もとても素敵。暮らしの中のちょっとした時間に繰り返しめくって楽しむことのできる一冊だと思う。空中に浮かぶ読書用ベンチでこれを開けたらと想像するのも楽しい。2021/09/30
ふう
23
『線と管をつながない、全作×好文の小屋作り』からの流れで。またも読みたい本が増えてしまった。2023/03/09
なつ
16
この方の本、初読みでしたが、この人大好きー。どの一編も最初に写真があるエッセイ本。好きすぎてこんな言葉が浮かんだ。『写真から始まる日々の暮らしの物語。旅も仕事もプライベートも全部「暮らし」切り離せない一続きのもの、自分を創っていくもの、積み重なり拡がり大きくなって増えていくもの、気持ちよく心地よく穏やかな笑みを携えて讃えて、生きている生きて行く悦びに胸奮わせて。』そして、書き留めた言葉たち→瞠る、嗄れる、小淘綾(こゆるぎ)、ナンダ・サカ・コンナ・サカ、手の毀誉褒貶(きよほうへん)、本格建築家=本書く建築家2015/11/02
みやび
14
旅好きな建築家、中村好文さんの写真付きエッセイ。中村さんの事は全然知らなかったけどタイトルと装丁に惹かれて。中村さんは旅に出た先で台所のあるアパートメントホテルに泊まるのだそうだ。そうすると部屋に漂う生活感と安心感がその街に滞在しているのではなく暮らしている感じにしてくれるという。旅行先で非日常を味わうのもいいけどこんな風にその土地に溶け込むようにして過ごすのも素敵だなと思った。遠出があまり得意ではない私は身軽にどこへでも出掛けて行ける人にちょっと憧れる。2022/11/25