出版社内容情報
佐久協[サクヤスシ]
著・文・その他
内容説明
「論語」を2000年間の儒教的解釈から解放する。『論語』研究第一人者の佐久先生、渾身の書き下ろし最終講義。孔子本来の教えと、儒教の教えとは、まったく違うものだ!
目次
第1章 『論語』の権威ある注釈書(2000年間の「儒教」的解釈;五書―権威ある『論語』現代語訳本)
第2章 誤訳ってなんだ?(「誤訳」の定義;「定訳」絶対視が「誤訳」を生む)
第3章 『論語』2000年の誤訳(第一項「学而第一‐一」;第二項「為政第二‐四」;第三項「八〓(いつ)第三‐八」
第四項「述而第七‐一六」
第五項「泰伯第八‐九」
第六項「陽貨第一七‐二〇」
最終項「陽貨第一七‐四」・「郷党第一〇‐二三」)
著者等紹介
佐久協[サクヤスシ]
1944年、東京都生まれ。慶応義塾大学文学部卒業後、同大学院で中国文学・国文学を専攻。大学院修了後、慶応義塾高校で教職に就き、国語・漢文・中国語などを教える。2004年に同校退職後、精力的に執筆活動を行い、今や押しも押されもせぬ論語研究の第一人者である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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活字スキー
20
慶應義塾高校の教壇にも立っていた佐久先生による、従来の定訳に囚われない『論語』の解説。TVでもお馴染みの齋藤孝先生は素読を奨励しておられたが、佐久先生は「いつ、どこで、誰が……」といった原理原則と時代背景、孔子の聖人のイメージではなく実像をつぶさに検証することを通して長年定訳とされていた解釈のいくつかを誤訳と指摘する。若い学生に直接語りかけるような好好爺じみた語り口が親しみやすく、心地好い刺激の得られる優れた読書論でもあると思う。2018/05/25
さとうしん
9
本書で違和感を抱いたのが、冒頭の「定本」と「定訳」の話。『論語』のような古典文献には、「底本」は存在するが、通常はそれを基礎として更に学者・研究者の校訂が施され、従来の注解を踏まえつつ批判を加えて訳が作られるわけで、定本も定訳も存在しないのではないだろうか。本書での著者の解釈も、仮にそれが従来の解釈と比べて妥当なものであったとしても、数ある『論語』の注解のひとつという扱いになるはずである。あと、本書で触れられていない宮崎市定のものは「オチャラケ解釈」に入ると思う。2018/04/01
エルウッド
0
佐久協先生の『「論語」2000年の誤訳』を読了しましたm(_ _)m この本は、5人の先生の訳本を例に挙げて、「自分はこう訳す」と自分の訳を紹介しています。 「5人の先生方は、過去の訳に囚われて、無難な訳しかしていない」とバッサリと切り捨てています。 『論語』の章句は、5W1Hの一部が欠けているのが多く、行間を読み5W1Hを補う事によって本当の意味が読みとれます。2023/07/19
むむむ
0
無批判に訳を信ずることの難しさよ。ただ、あまり興味の持てる内容ではなく、流し読みで終えてしまった。2021/06/13