内容説明
サッカー大国ドイツがもたらす新戦略、データ革命。「システム」と「支配率」の時代は終わりを告げる―。サッカーの「データ」を見れば試合が分かる。
目次
第1章 「支配率」は「データ」ではない―2010年ワールドカップと2014年ワールドカップのある1戦
第2章 2014年ブラジルワールドカップとデータ―世界の強豪国たちの「自分たちのサッカー」(ドイツ「前代未聞のダブル進化」;アルゼンチン「『戦術=メッシ』を支える世界有数の守備陣」;オランダ「屈辱をバネに身に付けた『二刀流』」;ブラジル「至宝を生かす意図的な反則」;コスタリカ/コロンビア/チリ/アメリカ)
第3章 データで日本代表を読む―ザック・ジャパン検証「自分たちのサッカー」は存在したか
第4章 サッカー新時代の到来―システムでは勝てない
第5章 世界サッカーのトレンドとアギーレ・ジャパンの行方―ポゼッションは勝敗を決めない
著者等紹介
庄司悟[ショウジサトル]
1952年1月20日、東京都生まれ。62歳。74年の西ドイツワールドカップを現地で観戦。75年に渡独。その後、ケルン体育大サッカー専科をへて、ドイツのデータ配信会社Impireと提携。独自の分析活動を開始した。2008年12月に日本に帰国し、09年にDJ SPORTS株式会社を設立。現在は同社取締役CAO/チーフゲームアナリストとして活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
70
2015/2/3 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2015/6/2〜6/4 ナンバーやフットボール批評などに掲載された記事を読んで注目していた庄司さんの初著作。非常に説得力ある分析。惜しむらくは、最後がアギーレさんのサッカーの分析になっていること。ハリルホジッチさんのサッカーはどういう傾向を示すのだろうか。今後の分析が楽しみである。2015/06/04
saga
31
サッカーはシステム「だけ」では勝てないのだ。複数の数字を融合させてデータとしてチームを分析するのは、各国A代表や世界のトップリーグのチームには有効だと思う。選手全員の技術、正確性、速さと持久力が求められる今後のトレンドは、発展途上の底辺チームには実現が難しいが、日本協会がドイツのようにデータを活用した代表強化をすることにより、底辺の底上げができるのではないかと思わせる本だ。2015/01/29
anco
7
世界のサッカーのトレンドは、支配率やシステムではない、ゲームコンセプトを重視したもの。そのコンセプトを読み取るのがデータ。走行距離、パスの本数、1対1勝率…。データは融合的に数字を組み合わせ、イメージできなければ何も教えてくれない。日本にもこのような本当の「データ」分析が根付くのが楽しみになりました。2016/01/08
Humbaba
5
タレントがいる状態ならば、それを最大限に活かしてチーム作りをする。それは確かに勝利への道となりえるし、嵌った時の強さも大きい。ただし、そうやって個人の力に頼って場合、怪我等のリスクが大きくなるという問題もある。どの戦略にも長所が有り、短所がある。自分たちが何を目指しているかを理解し、その特徴を知ることは勝利をつかむための第一歩となるだろう。2015/01/10
へー
4
サッカー中継などでよく出てくる「支配率」や「シュート数」でサッカーの質を語ることに違和感を覚えているなら、一読されることがオススメ。あくまで数えることのできる数値は「記録」であり、質を語るためならそこからどう解析するかが問われるのであり、それこそが「データ」と言えるという筆者の主張に共感します。ただ、ここで示されるものが絶対であるかというとそうではなく、どう解釈するかが常に重要であることは念頭に入れないといけないと思う。2014/11/13