内容説明
歩いて通院できるほど体力のある人間が、ある日突然「余命3カ月」と診断され、手術や抗がん剤治療の挙句、本当にあっけなく死んでしまう―このような悲劇を身の周りでも見聞きされていないだろうか。実は、余命宣告の多くはいいかげんである。治療が命綱の医者にとって、余命は短く言うほど「うまみ」が増すのだ。余命を告知される病気としては、圧倒的に「がん」が多い。がんの本質に迫り、余命宣告のウソを暴くことで、患者本位の治療を提言する。
目次
第1章 偽りだらけの余命宣告
第2章 余命とはなにか
第3章 がんとはなにか
第4章 余命を縮める抗がん剤の正体
第5章 予防医学が余命を削る!
第6章 限られた余命を、どう生きるか
著者等紹介
近藤誠[コンドウマコト]
1948年生まれ。73年、慶應義塾大学医学部卒業。同年、同大学医学部放射線科入局。79~80年、米国へ留学。83年より同大学医学部放射線科講師。がんの放射線治療を専門とし、乳房温存療法のパイオニアとして知られる。患者本位の治療を実現するために、医療の情報公開を積極的にすすめる。抗がん剤の毒性、拡大手術の危険性など、がん治療における先駆的な意見を、一般の人にもわかりやすく発表し、啓蒙を続けてきた功績をたたえられ、2012年「第六〇回菊池寛賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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パフちゃん@かのん変更
90
がんには大きくなっても転移しない「がんもどき」と直径0.1ミリでも転移する「本物のがん」がある。健診で早期発見と言っても1cm位にはなっているので、本物の癌であればもう転移してしまっているので今ある患部を大きく切除しても意味がない。もともと転移しない「がんもどき」であれば切除しなくてもいい。というわけで、がん検診は不要。手術はかえって命を縮める。抗がん剤は猛毒。放射線は場合により有効。がんが発見されても痛みが出るまでは放っておく。胃や腸が狭くなればステントで広げ、痛みはモルヒネなどで取り除くのが良い。2015/04/04
月讀命
83
両親は癌で他界している。自分自身も多分癌に罹患し癌で死ぬだろうという事とは予測できる。早期発見早期治療が原則という一般的な常識があり、手術摘出、抗癌剤治療、放射線治療、重量視線治療など、新しい治療も注目を浴びている。この本では、積極的治療?をせず治療しないという選択肢を紹介する。医者は治療費目的で積極的に手術する事もあろうし、細胞を摘出する事で他の細胞をも傷つけ身体にダメージを与える事も多く結果死期を早める。癌に関しての色々な本を読み、医者に殺されない様にする知識を得ておく事も長生きする為には肝要である。2015/03/17
sas
61
著者の本は何冊も読んでいるが、この本は彼のガン治療の考えの全てが一番分かりやすくまとまっている。余命3か月と言われる理由は、手術や抗がん剤治療をしたい医者の都合だけという。人間は簡単に死なない。無意味な治療をしなければ、もっと長く楽に死ねるのに、多くの人が治療の副作用や後遺症に苦しみながら結局死んでいく。逸見さん、梨本さん、勘三郎さんの例が悲しい例として紹介されている。「限られた余命をどう生きるか」という著者の死生観に深く感銘を受けた。死は誰にでも必ず訪れる。ガンになってから考えていては遅いのだ。2013/11/16
キムチ
44
結構さっくり、明快に論じており、座右の一冊にしたい。医者の数だけ、説法があり、お賢いだけに押し付けがましさが鼻につく。とはいえ、俎上の鯉・・如何ともし難いのがクランケ。まして癌となれば・・ガ~~ン。 溺れる者藁をも掴みたいのが凡人故の哀しさ。 取り過ぎる野菜が発癌性を高める、免疫療法は無意味などドキッと来たものあり。 闘う癌でなく、様観。ストレスが高まりそうだと思うが、ストレスすら癌の発症要因ではないとあっては驚き。癌家系はない、「笑いの療法」なんかない・・というのは世間で下世話に話す楽な話題に一石かも。2014/01/07
ばりぼー
43
医療は宗教や教育と同じように恫喝産業である。「治療しないと大変なことになりますよ」と不安をあおるほどファンが増える。そして医者はヤクザよりタチが悪い。ヤクザは素人衆に指を詰めさせることはないが、医者は患者を脅して金を巻き上げたあげく、平気で体を不自由にさせたり死なせたりする。転移する本物のがんは、最初のがん幹細胞の時点で「全身に転移して増大し続け、宿主の命を奪う」性質を備えているので、切除手術や放射線治療も実は無駄である。治るのはあきらめて、治療しないで様子を見るのが一番確実に延命できる方法である。2018/09/05
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