内容説明
『平家物語』といえば、栄枯盛衰の物語として有名である。本書は、作品の人間ドラマとしての側面に光を当てて、その魅力を存分に伝える一冊である。歴史物語の名語り手である著者の筆によって、運命に翻弄された人々の姿が生き生きと蘇る。その斬新な視点は、作品の中で歴史上の人物たちとの新しい出会いを読者に約束するだろう。写真・地図・アクセス情報も付記されており、観光ガイドとしても最適。
目次
第1章 平清盛―平家の栄華を歩く
第2章 滅びへの傾斜―平家の落日
第3章 木曾義仲の登場―平家一門の都落ち
第4章 後白河法皇―物語の陰の主役
第5章 源義経―国民的英雄の誕生
第6章 平家の最期―壇之浦の合戦
第7章 源頼朝の時代―光と陰をもつ人物像
第8章 建礼門院―遺された人々の運命
第9章 落人の里を訪ねて
著者等紹介
見延典子[ミノベノリコ]
1955年、北海道札幌市生まれ。作家。早稲田大学卒業。2008年『頼山陽』(徳間書店)で第27回新田次郎文学賞受賞。主な著作にベストセラーになった『もう頬づえはつかない』(講談社)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ロバーツ
1
平家物語のストーリーに沿って古跡を紹介する。平家物語の主題は「盛者必衰」だが伝えたいことは「救い」ではないか。2021/10/31
みつ@---暗転。
1
** 入門書としては、あらゆる意味でそれなりの本となっている。薄く、簡略化された“平家物語”の縮図であるため、時間をかけずにあらすじを知りたい方には良書であろう。ここからどのように作品を辿り、自分なりの卒論を作り出せるか。スタートラインの1冊。2012/11/11
ゆうぴの
0
平家物語を簡単に説明してくれている。そして平清盛、木曾義仲、源義経、建礼門院、後白河法皇、源頼朝に焦点をあてて人物を検証。ゆかりの地の説明と写真も折り込んでとても気軽な手引き書となっていてわかりやすく、面白かった。 わたしは先に平家物語を読んでいるが、それでも楽しめたし、はじめてのかたも入門となって読んでみたいと思うのではないのだろうか。紹介されていた吉川えいじ著の平清盛に愛情が注がれているらしい 『新平家物語』を次に読んでみたいと思った。2016/04/17
げん
0
来年の大河ドラマを読むための布石。どうせなら吉川栄治の新平家物語を読了したい。2011/12/21