内容説明
検察の衰退が叫ばれて久しい。そしてついに未曾有の事件が起きた。最強の捜査機関、検察特捜部の犯罪と身内で身内を逮捕するという珍事だ。しかし、彼らが犯してきた“大罪”は氷山の一角に過ぎなかった―。今まで多くの人々が検察によって「命」を簒奪されてきた。社会的生命を絶たれ、ときには「殺されかねない」と思えるようなことさえも平然と行われている。本書は検察に翻弄されてきた人達の壮絶なルポルタージュ。検察が人々を陥れいく手口をつぶさに暴く。
目次
第1章 特捜部の凋落
第2章 最高検察庁の決断
第3章 検察無法地帯の構造
第4章 でっちあげ裁判の全貌
第5章 冤罪の暗黒史
最終章 余波
特別対談 郷原信郎×粟野仁雄―暴走特急の未来
著者等紹介
粟野仁雄[アワノマサオ]
1956年兵庫県生まれ。ジャーナリスト。大阪大学文学部西洋史学科卒。ミノルタカメラを経て1982年共同通信社入社、2001年退社。フリーランスとなり、月刊誌、週刊誌などに社会問題を中心に執筆。徹底した現場主義を貫き、人物像を生き生きと描くルポルタージュや人物伝に定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しかっち
1
疑われたらおしまいですね。読んでいて恐ろしかったです。過去のでっちあげ事件も紹介されていて、私の知らない事件もあり、その内容には愕然としました。また、比べることではないかもしれませんが、検察の当初の目的のすり替わりみたいなものは私の中にもあって、それは例えば読書。積読本はいつのまにやら、ゆうに100冊を超え、楽しみや勉強のためのはずが、いつしか消化することが第一になっている気がします…。私も気をつけねば。(緊急出版のためか、誤字がちょっと目立ったかな)2011/01/08
Smallmont
0
大阪地検高検は堂島にあり、三井次席検事の事件の時などはマスコミがたくさん着ていたことを思い出します。冤罪が警察レベルでなされた場合でも相当なインパクトがありますが検察レベル、それも特捜によるとなるとこれは巨悪以外のなにものでもありません。2011/08/23
くーぱー
0
厚生労働省村木局長事件と、それに派生したフロッピー改竄事件を中心とした、検察捜査の問題点をまとめた一冊。9月の前田元主任判事の逮捕から、スピード優先の超特急で作った感がありありで、事件の概要は手堅くまとめてはあるが、それ以外の論考は浅く、著者の他の著作とも重複しておりあまり読むべき内容はない。2010/12/26