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電車の中で化粧する女たち―コスメフリークという「オタク」

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  • サイズ 新書判/ページ数 179p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784584121047
  • NDC分類 383.5
  • Cコード C0276

内容説明

なぜ、女性たちは電車の中で化粧をするようになったのか。それは単にウチ・ソトの区別がなくなったからではない。化粧そのものが変わったのだ。今や化粧は、自己表現であり、立派な趣味の一領域であり、教養ですらある。「化粧が上手いですね」は褒め言葉であり、意のままに外見を操れる女性は「ビューテリジェンス」の持ち主として賞賛される。そして、コスメフリークたちの化粧への熱中ぶりは、まるでアニメやマンガに対するオタクのそれを思わせる。何しろ、彼女たちは私というフィギュアに「萌える」のだから。電車男と電車内化粧女。オタクとコスメフリーク。それは、九〇年代の日本社会が生み出した表裏一体の文化現象なのである。

目次

プロローグ 電車内化粧はなぜ非難されるのか
第1章 化粧のお仕事―「トータルライフ・アドバイザー」叶姉妹の謎を解く
第2章 化粧は人なり―「メーキャップ・アーティスト」藤原美智子の謎を解く
第3章 趣味は化粧―「カリスマ主婦」君島十和子の謎を解く
第4章 男より化粧が大事と思いたい―「さすらいの女王」中村うさぎの謎を解く
エピローグ コスメフリークという「オタク」―内面不在の一九九〇年代

著者等紹介

米澤泉[ヨネザワイズミ]
1970年生まれ。京都府出身。同志社大学文学部英文学科卒業。大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程単位取得。専門は化粧文化論、ファッション文化論。現在は、執筆活動とともに、化粧文化に関する講義を専門学校や大学で行っている。化粧文化研究者ネットワーク世話人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GAKU

49
題名と内容がちょっと違うんじゃない?という印象。2006年刊行なので、話題もちょっと古い?今一でした。2019/09/20

extrawhipcoco

4
コスメフリークは一種の「オタク」であるという主張には同意。ただしコスメフリーク=虚構の世界を生きている、ゆえに他者の視線を気にせず所構わず化粧ができる、という結論づけはが弱い。そもそも電車内で化粧する女=コスメフリークというのは無理があるように思う。コスメや美容に対する意識が高い人種ほど電車内での化粧はしないしむしろそれを恥じる傾向にある、というのはリサーチすればすぐわかるはず。2009/05/22

寝落ち6段

3
化粧の意味合いが時代によって変わってきた。単なる身だしなみから、男性に見せるための化粧、そして自分のアイデンティティーのための化粧へ。だが、自分のための、自分を表現するための化粧が、雑誌やテレビなどのマスメディアの影響で、並列化してきているような気がする。個性、個性と叫ばれて久しいが、果たしてそうなのだろうか。2013/06/25

サイバーパンツ

1
本書は化粧を「書く」中で「私」を目口眉といった記号と捉え「キャラクター」を表現する手続きは極めてオタク的であるとし、私語りを誘発するネットの普及と共にコスメフリークが顕在化したという宮台・大塚・東的な分析をしている。キャラクターとして自己表現される虚構の私こそが私という感覚はさらなるネットの普及と加工技術の発達で一般化しており、SNS社会の現代は誰もが記号の操作でいかに「私」を表現するかが問われる一億総オタク化した状況と言えるだろう。2021/09/29

鍵窪錠太郎

1
鷲田清一の本で「電車の中で化粧するのは周りへの配慮が無い事が、不快感を招く」的な指摘がなされていたので初版から10年経った今、読んでみたが…80年代から00年代前半までの化粧史を述べ、化粧の立ち位置の向上、またそれに伴う自身の為の化粧と言った事柄が多いように思える。また、オタク文化については偏見が多少感じられつつも、趣旨については確かに分からなくもない。読まなければ良かった、とは思わないけれど得る所は少なかった印象。「オタク」研究や、化粧の目的、対象が分かったかなー程度。最新の研究なら読みたいテーマ。2016/09/30

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