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「感動」禁止!―「涙」を消費する心びと

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  • サイズ 新書判/ページ数 259p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784584121023
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0295

内容説明

「感動をありがとう!」「勇気をもらいました!」。そう言って涙を流すのが正常だといわんばかりに、屈託なく語る人びと…元々「感動」や「勇気」は与えられるものではなく、内発的に抱くものではなかったのか?だからこそ価値があったのではないか?一体、いつから「涙」は軽くなり、「感動」はお安いものになってしまったのだろうか?内実なき熱狂を買い求めるカラッポ人間が、なぜ多数派を占めるようになってしまったのか。「消費」をキーワードにニッポン社会の変遷から解き明かし、いまどきニッポンを社会哲学で鋭く考察する。

目次

第1章 「感動」は奪われた―かくて「祭り」は消費された(「団塊世代」は「純愛」世代;親父たちはいつも保守的だ、と思っていた ほか)
第2章 「感動」は量産される―「個性」は消費物である(個性が消費させられる;ジーンズと反体制とワタシ ほか)
第3章 「感動」を買ったオンナは、しあわせか?―フェミニズムと消費の恋愛関係(オンナはしあわせになったか?;気分で選ぶオンナの子 ほか)
第4章 残された「感動」の居場所―高度消費社会の「祭り」と「場」(わたしたちに居場所はあるのか;「かわいーいっ!」という叫び ほか)
第5章 感心できない「感動させてくれ病」―「不満」を消費する人びと(無自覚なエゴイズム;関係ないから ほか)

著者等紹介

八柏龍紀[ヤガシワタツノリ]
1953年秋田県生まれ。慶應義塾大学法学部・文学部卒。高校教員を経て、歴史教師として予備校などで教鞭を執る一方、『思想の科学』などで社会哲学や現代史に関する執筆を展開。2000年からは、東京大学駒場キャンパスで自主ゼミを開講している。また、同年より学生のみならず社会人も対象とした社会哲学ゼミ(宏究学舎)も開講し、演習と講義を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

トダ―・オートマタ

8
「感動をありがとう」に違和感があるのは個人的にも同意するが 本書の内容は感動にあまり関係していないものも多く、 話題がまとまってなくて、最終的には若者批判になっているように感じる。 ただ、感動が消費されているというのは個人的に納得する。 今の震災のことも例外ではないのだろうな2012/04/09

kera1019

3
何かの本で紹介されてて面白そうやったんで買った本書。そのまま半年以上ほったらかしてたんで、何が面白そうと思ったのかも思いだせず… 内容は団塊の世代以降の日本を「高度消費社会」を軸に書いてあってタイトルはあまり大きな意味を成してなかったような… つくづく読書はタイミングやなぁ。2013/06/14

ほしけも

3
「泣ける!」も「ヌケる!」も大差ない。 最強伝説黒沢の冒頭を思い出した。ワールドカップを観てるシーンね。 「あんなものに感動などないのだ。」 価値があるってことは簡単に金になるに変換しちゃうもんですな。2013/03/26

ステビア

2
適当なこと書き散らしてんじゃねーぞコノヤロー!2013/05/21

しげ

2
ディズニーランド、女女格差、援助交際、2ちゃんねる…さまざまな話題が詰め込まれており、結論まで遠回りしすぎているようにも感じましたが、どの章も興味深かったです。サッカーの試合や純愛ドラマを見て「ノリ」で「感動」を消費するように、不快な芸能人などを「ノリ」でとことん叩き、こんどは不満を消費する。いまの日本ってそうだよな…と思えて、とても恐かったです。「感動するための感動」ではなく、人間同士の関わり合いのなかで、生身の感動にたくさん出会っていきたいです。そのためにも、人間関係を大切にしていきたいです。2012/02/27

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