内容説明
わが国での性行為を描いた絵巻は平安時代の十世紀に成立した。『小柴垣草子絵詞』が描かれ、以来、鎌倉、室町時代から元禄時代までの「春画」を見るとき、その歴史的な事実と遺存により、わが国がいかに古代より性愛文化が発達していたかが窺がえる。本書は、江戸を中心にその周辺でもっとも発達した、「春画」の魅力を余すことなく紹介した、カラー新書の決定版である。
目次
序文 なぜ、春画が描かれたか―人間が持つ悦楽への欲求
第1章 春画の起源と歴史―いかにわが国の好色文化が旺盛だったか
第2章 古版画の楽しみ―セックスへの果てしなき欲望
第3章 手彩色版画(紅絵)―エスカレートする好色の遊び
第4章 春画の画法について―交接描写にはモデルがいた?
第5章 肉筆絵巻の時代―優美なるエロティシズム
第6章 水墨画の美―愛欲と情念の凝縮
第7章 錦絵の誕生―人間の性的エクスタシーへの讃歌
第8章 春画の中の男たち―ほとばしる男の夢と願望
第9章 春画の中の女たち―性をむさぼる女たち
第10章 春画の妖怪―偉大なる女陰と男根の化身
第11章 大開絵の魅惑力―女陰には神が宿る?
著者等紹介
福田和彦[フクダカズヒコ]
1929年大阪生まれ。文化学院文科、東京写真大学技術科を卒業後、アテネ・フランセに学ぶ。1958年より、金沢美術工芸大学産業美術学科主任を十五年勤める。1963年、第一回国際工芸写真展(旧チェコスロヴァキア)グランプリを受賞。1967年より東洋、西洋美術研究のため、インド、東南アジア各地、欧米諸国(イタリアを中心に)にて長期滞在生活を送る
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幽寂庵
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