内容説明
江戸時代を通して、幕府・諸藩の施策はつねに構造改革と財政再建へのたゆまない挑戦であった。あいつぐ天災と飢饉、生活に苦しむ農民たちは百姓一揆を起こし、都市貧民は打毀しに走る。そのような危機の時代、経済の改革に果敢に立ち向かった大名やその補佐役、彼らに登用された儒者や農政家など、改革・再建の担い手たちの試みを丹念に描く。江戸時代に試みられた経済再生プロジェクトから何を学ぶか。
目次
体制の危機
「死なぬ様に生きぬ様に」
「士農工商」の虚像
財政を圧迫する「奉公」
大名の台所は火の車
改革断行と反対勢力
経費節減(質素倹約;首切りと給与カット)
新たな財源はどこに?大名たちの町おこし・村おこし(農村復興;殖産興行と藩専売制)
雄藩への道
著者等紹介
谷口研語[タニグチケンゴ]
1950年岐阜県生まれ。法政大学大学院人文科学研究科博士課程修了。専攻は日本中世史。現在、法政大学非常勤講師
和崎晶[ワサキアキラ]
1952年島根県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。日本近世史専攻。現山梨県史専門委員
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