内容説明
造れば売れる時代は終わった。これからは魅力あるクルマを峻別するユーザーの目がますますきびしくなる。数々の名車を世界に送りだした名門・日産は、なぜ栄光のブランドを衰退させてしまったのか。なぜ再生へのけわしい道を外国人のゴーンに託さなければならなかったのか。それらの真相に迫るとともに、過信と油断、そして問題の先送り等…、日産が陥った和製型経営に潜む企業病の核心を鋭く描く。ニッポン型企業統治の崩壊と再生のドラマから何を学ぶか。
目次
第1章 放任されたブランド管理
第2章 本社が強大すぎるとどうなるか
第3章 セクショナリズムの弊害
第4章 日産型グループ統治の特質
第5章 節度なき拡大と膨張がもたらしたもの
第6章 序列支配と銀行依存との決別
第7章 ゴーンの手に青い鳥はとまるか
著者等紹介
上杉治郎[ウエスギジロウ]
1931年愛媛県生まれ。自動車メーカーに40年間勤務。販売推進部長などを歴任後、系列ディーラーの社長を10年間務め、退職後は執筆活動に専念。自動車産業界の歴史と変遷を見つめ続けてきた独特の視点から、クルマ社会の現状と問題点と未来を鋭くとらえた著書多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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佐島楓
9
旧経営陣の古い体質は、ゴーン氏レベルの改革をしないと叩き壊せなかった。日本人の悪いところが露呈したケースだと感じた。2013/10/27
issy
0
ブランド戦略不足、官尊民卑の社風、本社と販売店の上下関係、銀行依存、セクショナリズム、戦略なき海外進出…、ゴーン以前の日産の凋落の要因を様々な角度から分析するとともに、ゴーンによる日産リバイバルプラン(NRP)の策定過程や内容、NRP発表から一年後の状況と今後の課題までをコンパクトにまとめた一冊。「日本的経営=悪」といった単純な話ではなく、例えばルノー自身も公営企業的な体質で経営悪化していたのをゴーンが立て直した、という話は興味深い。よく聞く「日本は外国と違う」「我が社は他社と違う」は思考停止した言い訳に2012/01/19
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