内容説明
日本ではフロイトやユングの名前はよく知られていますが、同じ時代に生きたオーストリアの精神科医であるアルフレッド・アドラーの名前はあまり知られていません。本書ではアドラー心理学の見地から、どうすれば幸福に生きることができるかという古くからの問いにアドラーがどのように答えようとしているかを明らかにし、どのように生きていけばいいのかという指針を示しました。
目次
第1章 アドラーはどんな人だったか
第2章 アドラー心理学の育児と教育
第3章 横の関係と健康なパーソナリティ
第4章 アドラー心理学の基礎理論
第5章 人生の意味を求めて
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
180
いったい、幸せって何だろう。やりたいことがあり、やれていれば幸せなのかもしれない。生きるには自分のことばかりを考えてはいけないが、他人のことばかりでもいけない。どう生きたらいいか迷い始めたら、やりたいことをやろう。他人は必要がなければ自分に近づいてはこないもの。人は自らが経験してきたことでしか物事を判断できない。黙っているだけでは誰も助けてはくれない。人生は自らが決めなければいけません。今がたとえ困難な道のりでも、歩み続けることで幸せを感じる時が来るかもしれない。たとえ挫折しても、そこに人生の価値はある。2020/05/21
♪みどりpiyopiyo♪
112
おもしろかったー♪ ■大学でアドラーもちょろっとかじったけど、ここんとこの日本での一大ブームで新しい良い本が出てるかも、と何冊か読んでみてます。この本は新書1冊という制限の中で分かりやすくまとまってると感じました。先日読んだこれ http://i.bookmeter.com/cmt/57640803 よりも読み応えがあり理解も深まります。■アドラーはトラウマ全否定だったけど、現代では解剖学的にトラウマは確認されてるので、そこんとこの考察も数ページでいいから載せて欲しかったなー。■普通であることの勇気(→続2016/07/30
harass
82
『嫌われる勇気』の著者によるこの心理学の入門書。相変わらずこれって心理学、学問じゃないよね、と思いつつ読んでいった。著者もアドラーも認める通り、唱える理想に達することは極めて難しく、こういう考えもあるのねと参考にさせてもらうぐらいが凡人には精一杯だろうし、それで十分かと。2019/04/16
Aster
80
アドラーは人間に対して真摯に向かい合った。学問的な難しさはほとんど感じなかった。平易な言葉で説明される生き方は、殊更アドラーの名を挙げずとも皆共感出来、ある人は発見するだろう。ただそれを世に知らしめたのは大きいんだろうとは思う。子供に対する接し方はとても素晴らしいと思った。この本は雑に言ってしまうとただの自己啓発本に過ぎない。しかし個人的に自己啓発本はあまり好まないがこの本は良かったと思えた。自己啓発という定義もまばらだよなぁと、本に対する姿勢も変えねば。2020/10/20
桜もち
74
アドラー心理学は育児・教育についての研究と言われるが人間関係一般に当てはまるらしい。『人は水平面に生きている、人はみなそれぞれの出発点、目標を持って前に進んで行くのだ、そこには優劣ななく、ただ先に行く人と後を行く人がいるだけだ』。会社での職責は違ってもそのことが人間としての上下を意味しない。うちの上司は若手のことを『木っ端』という。聞くたびに不快だったけど、これか。と納得した。対等の横の関係を築くことで初めて人を育てる技術は有効になり、そうでないときは全て無効どころか有害、と気持ちよく言ってくれている。2017/03/05