出版社内容情報
原木の素材選定から1本のバットが世に送られるまでの物語を描きつつ、名工ならではの視点で、様々な角度からバットの現在・過去・未来を語っていただく。
内容説明
ミズノのクラフトマンがバットの真髄を明かす!
目次
第1章 素材を選ぶ目
第2章 クラフトマンへの日々
第3章 超一流打者との共同作業
第4章 木製、金属、複合素材
第5章 未来へつなぐ
著者等紹介
名和民夫[ナワタミオ]
ミズノテクニクス株式会社用具製造部用具製造課木バット製造担当木製バットクラフトマン。1967年2月28日生まれ、岐阜県大垣市出身、大垣工業高校卒。1985年ミズノテクニクス株式会社入社。ゴルフクラブ製造5年、物流業務2年を経て、1993年、バット製造課へ異動。久保田五十一氏に師事。2008年よりイチロー、松井秀喜の担当を引き継ぐ。これまで、2000本安打を達成した野村謙二郎など、多数のプロ野球選手のバットを手掛ける。現在は村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)、大山悠輔、佐藤輝明(阪神タイガース)、西川龍馬(広島東洋カープ)などを担当。自身も中学で軟式野球部、高校で硬式野球部所属(外野手)と野球を経験し、現在も職場の軟式野球チームでプレー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きみたけ
55
著者はミズノで「木製バットクラフトマン」の称号を持つ名和民夫氏。バット製造課へ異動後、久保田五十一氏に師事。これまでイチローや松井秀喜など多数のプロ野球選手のバットを手掛け、現在セ・リーグ担当として村上宗隆、大山悠輔、佐藤輝明など多くの選手を受け持つ。バットの素材を選ぶ目、クラフトマンへとしての研鑽の日々、超一流打者との共同作業などとても興味深い内容でした。松井秀喜が毎年モデルチェンジしていた話、落合博満が0.1ミリの太さの違いにこだわる話は一流選手の鋭さを垣間見た気がしました。一度工房を見学したいです。2022/08/18
けんとまん1007
38
職人の二文字が醸し出すもの。携わる人の感覚の違いであり、それは五感を使ってこそのもの。プロ野球の選手が使うバットを素材にした、作る側と使う側の関係性が興味深いし、どちらも職人だと思う。双方の思い・感覚が一致した時に、まさに、手に馴染むものになるのだろう。面白いのは、選手側の表現だ。その表現されたものの真意を掴めるのが、一流の職人(作り手)だろうし、職人の誇りがそこに現れているのではと思う。いい意味でのこだわりを持つことだ。2022/09/29
tetsubun1000mg
12
ミズノバット製造課「岐阜養老工場」のバット職人、名和民夫さんのノンフィクション。 木製バット製造技術者のトップは「木製バットクラフトマン」と呼ばれるそうだ。 前任のバットクラフトマン「久保田五十一」氏から指導を受けて信頼を受けて2008年からイチロー、松井秀喜の担当を引き継いで後継者となっていく。 プロの頂点となる選手のバットを、口頭での要望に合うように作る。 選手によって材質、グリップ、芯のバランスなど全部違うという要望に合わせて頭の中で設計図を作って削っていく。 職人技を詳しく解説され奥が深かった。2022/03/27
chuji
4
久喜市立中央図書館の本。2022年2月初版。書き下ろし。道具を使う人(選手)の譚は勿論面白いけど、道具を造る職人譚は面白く、興味深い。2022/04/02
Humbaba
3
それぞれのバットの差というのは非常に小さく、普通の人が使えばわからないようなレベルでしかない。しかし、トップ層においてはそのわずかな違いがとても大きな差になって現れる。道具だけで得られる結果というのはほとんどないが、それでも最善を尽くすためにも道具の選び方は重要になる。ただし、選手は道具の良し悪しはわかってもそれを作ることはできない。話を聞いて最適なものを作れるのは職人だけである。2025/04/24
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