内容説明
大相撲は幕下上位5番が一番面白い。あと半枚、あと一枚、番付を上げていれば関取になれた。彼らの心には、何が残っているのか。
目次
その1 春日国
その2 師子王
その3 友鵬
その4 錦風
その5 緑富士
その6 小金富士
著者等紹介
佐々木一郎[ササキイチロウ]
昭和47(1972)年8月3日生まれ、千葉県出身。平成8(1996)年に日刊スポーツ新聞社入社。平成22(2010)年3月場所から大相撲担当。その後、大相撲担当デスクなどを経て、令和3(2021)年11月からデジタル編集部(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
76
幕下という番付は、もう一歩でありながら、そこから上へ上がるには大きな壁がある。実力に差がなくても天国と地獄のような世界がある。相撲が面白いのは、こうした階級による位置づけが明確だからだと思っている。テレビでは、三段目あたりからの取り組みが放送されていて、有望株を探し、その活躍を追いかけている。国技でありながら、もう少し力士たちに注目する機会が増えてもいいと思う。この著書は、大きな壁に挑みながらも超えることがなかった男たちの物語だが、悔いを残さない爽やかさを感じる。2023/04/10
しげ
75
先日の読書に続き新聞記者のルポモノ2冊目です。どんな仕事も退く時はやって来るがセカンドキャリアは何処も厳しい。幕下筆頭まで登り詰めながら関取まであと僅か届かなかった力士達…あまり好きな言葉では無いが「運も才能のうち」と感じてしまう部分有る。「努力は裏切らない」コレも真実と感じるが全ての人が成功者(勝者)には成れない。本編に登場する力士達はその世界でメンタルと人間力を磨きセカンドキャリアに繋げている。勝負の世界も一般社会も根本は同じと感じた。2023/05/17
雲をみるひと
34
最高位が幕下筆頭の6人の元力士の大相撲生活とその後の人生にスポットを当てたルポ。丁寧に取材されておりヒューマンストーリーとしては凄く面白いが、関取になれなかった点を強調するのであれば、例えば十両を一場所だけ経験した元関取の人生と比較するような視点があってもよかった気はする。2023/03/22
くさてる
30
相撲にはぜんぜん詳しくないわたしでも、とても面白く読みました。力士のなかでも番付が十両に上がって初めて「関取」になって、待遇もなにもかもが変わる。この本はあと一歩のところでその十両に手が届かなかった元力士へのインタビュー。人生における運と実力、自分の運命をどう生きるかということまで考えてしまう読み心地で一気に読みました。インタビュー集ではあるけれど、読み応えのあるドキュメンタリーでした。2023/02/15
おかむら
27
大相撲の幕下筆頭まで行きながらも関取(十両から先)には行けなかった元力士6名の人生を辿るルポ。幕下までは給料が無いのか…。著者の丁寧で親身な取材でとても味わい深い読み物になってます。なかでも友鵬さんのエピソード回は良かったわー。あと武蔵小金井の「ちゃんこ小金富士」は行ってみたい。そしてちょっと貴闘力の本も読みたくなりました。全然テイスト違いそうだけど。2023/06/07