内容説明
20世紀初頭のアメリカでは、スペイン風邪の世界的流行(パンデミック)と第一次世界大戦が相まって、大リーグのどのチームも選手不足に悩まされていた。「投手力こそが戦いの基盤」と考えるレッドソックスのエド・バーロー監督は、だからこそ、途轍もない打棒を振るうベーブ・ルースという若者を打者には転向させず、マウンドに上げ続けることにこだわった。これが、本格的な二刀流起用の原点である。100年の時を経て、大谷が真の二刀流を体現した今、我々は改めてベーブ・ルースという選手について学ぶべきだ。
目次
二刀流への道
ボルティモアから
1914年のキャンプから
打撃に専念したいが…
1918年 二刀流での成功
戦争と二度目のパンデミック
動乱の時代に向かって
「ブラックソックス・スキャンダル」
ヒーローの交代 タイ・カッブとベーブ
ベーブ、ヤンキースへ売られる
コミッショナーとの確執、少年たちへの思い
ベーブの影響の大きさ
遠征に、巡業に
すべてはパンデミックから
著者等紹介
佐山和夫[サヤマカズオ]
1936年8月18日生まれ、和歌山県出身。慶應義塾大学文学部英米文学科を卒業してから、会社員、和歌山県立田辺高等学校の英語教師などを経て、「田辺イングリッシュアカデミー」を開校。後に作家となった。綿密な取材に基づく重厚な筆致で、第3回潮ノンフィクション賞、第4回ミズノスポーツライター賞などを受賞。アメリカ野球学会(SABR)、スポーツ文学会(SLA)に所属し、ベーブ・ルース学会でジョセフ・アストマン賞、アメリカ野球学会のトウィード・ウエッブ賞、ロバート・ピーターソン賞にも輝いた。日本高等学校野球連盟と阪神甲子園球場歴史館の顧問でもある。2021年1月14日、野球殿堂表彰者の特別表彰部門で殿堂入りした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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