内容説明
どんなに強い相手に対しても決して臆することなく、知恵と技と力の限りを尽くして立ち向かい、スピーディでスリリングな相撲で見る者の心を震わせ、万雷の拍手を浴びた人気力士・嘉風。土俵人生半ばまで、現状に満足し、のらりくらりと日々を過ごす中堅力士だった彼が、別人のように変貌を遂げた背景にはどんな物語が隠されているのか。引退した今、本人が自らの言葉で振り返る。
目次
第1章 入門まで
第2章 スピード出世の後で
第3章 再生
第4章 未来に向かって
著者等紹介
中村雅継[ナカムラマサツグ]
元関脇嘉風(よしかぜ)。本名・大西雅継(おおにし・まさつぐ)。昭和57(1982)年3月19日生まれ。大分県佐伯市出身。日体大3年でアマチュア横綱に輝き、元大関琴風の尾車部屋に入門して平成16(2004)年1月場所初土俵。177センチ、148キロ。30歳を過ぎてから俊敏な動きと果敢な突き押しに磨きがかかり、しばしば上位を倒して小結、関脇に昇進し、殊勲賞2回、敢闘賞4回、技能賞4回。金星8個。令和元(2019)年9月場所限りで引退して年寄中村を襲名(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おかむら
23
中村親方(嘉風)の自伝。幕内下位のあたりでのんびり取ってればいいやというそこそこしか頑張らないタイプだった嘉風の気持ちを変えた一番とは? 照ノ富士とか稀勢の里とかの横綱経験者の自伝は当たり前だか立派すぎてあまり人間味(面白味)を出せないけど、この嘉風クラスだとかなり人間味が出てて楽しいわぁ。2024/01/09
ピオリーヌ
10
入門前複数の部屋に声を掛けられたが師匠の人柄に惹かれ尾車部屋を選んだエピソードが印象的。他何より嘉風といえば三十路を超えてからの覚醒。20代の頃は上を目指す気持ちもなく、のらりくらりと相撲を取っていたというが、転機となったのが平成25年九州場所中日。故郷の人が応援に訪れる中、立ち合い変化して会えなく旭日松に敗戦。屈辱的な負けが大きな戒めになったという。こういった屈辱的な敗戦が転機となった力士としては魁皇が挙げられる。魁皇は小結で迎えた平成12年初場所千穐楽、賜杯を狙う武双山相手に給金相撲、立ち合い変化を2022/10/07
Yuuki.
8
元嘉風の中村親方の自伝。文章から真面目さがひたすら伝わってくる。その分、面白みのある本とは言えないが、中村親方が角界に入るタイミングの話、物議を醸した白鵬との取組の後日談、引退のキッカケとなった怪我の話など、興味深い内容満載で、相撲好きなら十分楽しめる一冊。2022/04/03
るりねこ
0
相撲の稽古も色々変化するのもいいか。新しい親方楽しみだ。2023/01/24